経営成果は最後は資金に反映する。その前段階に収益力(売る力と利益に転化させる力)があり、それを実現するのが社員の働きの質。
会社の業績は時代の影響も受けるし、顧客の移ろいの影響も受ける。同じ時代に、同じ地域にあって、同業だけれど、時代に翻弄される会社もあるし、時代に適合していく会社もある。市場を開拓し創造していく会社もあるし、市場から淘汰される会社もある。
今年がどんな一年となるのか誰も分からない。経営環境の変化に気づきのアンテナを張り、柔軟に素早くかつ積極的に反応し、試行錯誤できる会社はしぶとく今年を生き抜くだろう。
資本主義の自由市場とは、自社の商品と他社の商品とで市場で競争をし、優劣を競う自由があるという意味。だから、市場も商品もお互いに自由に選択できる。その中にあって、競争しているという自覚がなく、競争相手の情報を得ず、自分の実力に無頓着の会社は、自然に顧客から選ばれなくなってく。その中でミスやクレームを起こすなど、自傷行為となる。ましてやミスやクレームを繰り返すとなると、自殺行為そのものとなる。
中小企業では量的な差異や金額的な差異では大企業に太刀打ちできない。だから、値段ではない何らかの質的な差異を生み出さなくては生き残れない。
質的な差異を顧客にもたらすのは社員の働きの質。社員の働きの質は、社員個々人の能力と意欲による。管理の質で社員の働きの質をコントロールできればよいが、管理の質が低いと社員の働きの質を統制できないから、社員個々人の能力や意欲によって顧客の評価も満足度もばらついてしまう。
組織力とは社員個人の能力総和だから、社員個々人の能力と意欲が高ければ組織力は高くなるが、社員個々人の能力と意欲が低ければ組織力は低くなる。低い能力と低い意欲の社員を前に、管理の質や仕組みでレベルアップを目論んでも、簡単に人の職務能力も意欲も上がらない。経営者は腹をくくって執念深く、時間をかけて、自己成長を促すしかない。
それが待てないなら、社員をドンドン入れ替える必要があるが、その際の組織の揺らぎを常に調整し統制する、経営者の組織統率力が問われる。
[ 更新:2019-01-02 15:18:40 ]