以下はおよそ25年前の古~いお話です。
この会社は、10年ほど前に廃業されて今は存在していません。
北海道では充分な土地がある会社では原材料を野積してブルーシートをかけて保管しているところが普通にあります。
何年も前から、敷地内何カ所かのブルーシート下の原材料が期末の棚卸表に記載されていました。
いい加減に使ってしまおうとブルーシートを取ったら、中にあったのは廃材の山・・・
棚卸し担当者に確認したら、毎年同じなのでブルーシートを取らぬまま、前年と同じと記載したの事。
何年前にこのブルーシート下の原材料を実地棚卸ししたのかも不明、何時製造に使われたのかも不明、廃材を積み上げたのも何時だったのか不明・・・
こんな時、管理者であるあなたはどうされますか?
期末棚卸しの内容については、税務調査でも必ず確認するところです。
というのも、棚卸資産が少ないと売上原価が大きくなります。逆に棚卸資産が多いと売上原価が小さくなります。
売上原価が小さくなると売上総利益が大きくなります。
最終利益が大きくなると税金が多くなります。
そんな訳で期末在庫の量の調整で、決算時の利益調整をするケースが実務ではあります。
決して良いことではないのですが・・・
税理士事務所によっては、期末棚卸しは実地に行い、偽りないことの誓約書を取るところもありました。
したがって税務調査官は期末棚卸高が適正か、過去の申告内容から比較表を作成してしっかり調べます。
ですから税務調査の際は当り前のこととして「期末の棚卸表を提出してください」と必ず言ってきます。
製造業の場合、原価計算の妥当性と期末在庫の評価方法にまで、税務調査の場面で調査官と会社側の議論が続くこともありました。
最近の税務調査の様子は分かりませんので、皆様の顧問税理士先生にお聞きになって下さいね。
[ 更新:2018-03-21 15:02:51 ]