私のお客様で「成果主義」を採用しているところはないのですが、花王流成果主義の裏のポイントを見てみましょう(2009年5月の日経ビジネスの記事)
●成果主義では、会社の目標と社員の目標の関連を見える化する。
→会社の目標は見えていても、社員個々人の仕事の目標が見ているところは半数くらいでしょうか。社員個々人のプライベイト(人生)の目標となると、把握しているところはとても少ないことでしょう。興味を示さない会社も多いかもしれません。
●人材育成と一体のものとして成果主義を運用する。
→入社から定年退職までのキャリアプランを示す必要があります。これが示されないと、途中で能力開発が休止されたり中止されたりします。そのまま放置すると、その時点の職務能力で及第点と誤解が生じますし、その後の軌道修正が難しくなります。
●成果主義だからと言って、結果だけで評価せず、対価としての報酬にも極端な差をつけない。
→結果評価は必要ですが、短期評価と中長期の視点での評価も必要です。その意味でプロセスを見るから、将来の結果につながる努力をしている人にも報酬は適切に与えられるという意味でしょうか。
●他社の成果主義も参考にはするが、自社の実情や各部の実績に合わせて必ずカスタマイズする。
→まずやってみて(素直に真似てみて)、自社でできるか、自社にフィットするか確認し、その上でのカスタマイズとなるでしょう。
●安易に他社を真似ず、コンサルタントの言いなりにもならない。
→コンサルタントの意見は参考意見です。未体験のことはコンサルタントの指導通りでいいでしょうが、早くコンサルタントが居なくても自力でできるようになることが望ましい姿です。
●一旦決めた成果主義も、経営環境の変化に応じて改善し続ける。
→環境が変化するということは、その環境で暮らす人間も変化しますから、評価基準も変更が必要ということです。
●成果主義と言っても、企業理念を社内に浸透させる目的にも利用する。
→成果が企業理念に優先するようだったり、企業理念が忘れ去られるようでは本末転倒です。短期的には良く見えても、長期的には組織の倫理観が崩れていくかもしれません。
[ 更新:2017-11-28 12:48:58 ]