社員の現在の保有能力を伸ばし、おおいに発揮させる
資格試験に合格したことと、その資格の実務能力はイコールではありません。
研修をたくさん受講したことと、研修で学んだ知識を現場実務で生かせることもイコールではありません。
現実に保有能力と発揮能力がイコールとなる人は少数です。
会社を伸ばし充実させる経営を実現するには、まず社員がすでに持っている職務知識や職務スキル、個々人の才能を活かしていくことです。
そのためには、年に一度は個々の従業員がさらに伸ばす技量、改善・改良すべき技量、新たに習得する技量などの目録(リスト)をつくりましょう。そして、一旦つくった個人別のこれらの目録(リスト)は、毎年定時に更新することを忘れないで下さい。
何事も「欲しなければ」手に入りません。
従業員個人別に、会社が欲する技量を見えるようにしたものがこの目録(リスト)となります。手にしたもの(職務知識や職務スキル、個々人の才能)は惜しまずに使う、陳腐化せぬように磨き込んで使うといいのです。
定時更新の際には褒章制度によって、過去一年間の功労には惜しみなく報いましょう。贈ると決めたなら、贈る行為には勿体はつけないこと。皆のいる前で経営者が直接渡すといいですよ。
運用上の注意点は、ギブ&テイクもいいのですが、ギブ&テイクは通常の当然の取引での対価とその対象物の交換です。
ギブ&テイクに徹し過ぎると、お互いの人間関係での信頼感や何らかの情が伴わないと、経営者が一番必要な時に打算的に見捨てられることも起きます。過度の成果主義も同じです。
部下であっても、今後の仕事の進め方や短期の部門目標の設定の場に参加できると、そこで決まったことに沿って自分の職務を成し遂げようという気持ちになっていくものです。
以下は上級編ですが(普通は経営者が率先して管理するのことがら)、自己資本の充実や手元資金の流動性を高めることなども、経営幹部も共有する会計情報とし、これらの充実によって今後の経営資源の使い方の意思決定(投資や予算化)にも参加できることは、幹部のマネジメント能力向上の実地教育となります。
[ 更新:2017-11-21 15:17:30 ]