苫小牧の経営ゼミでは、次のような取り上げ方をさせていただきました。
このテーマを扱うに当たり、吉見は次のように切り出しました。
自分の新人の頃(社会人1年生、最初の職場)を思い出しましょう!
社会人の初期教育は重要だと思いませんか?
最初の職場で体験した雰囲気、仕事の厳しさ、先輩上司との人間関係は、その後の転職先と比べ物にならないくらい、大きな影響を自分に与えていませんか?
最初が甘いとか、テキトーな職場ですと、仕事とは甘くてもテキトーでもいいのが社会と誤解します。
最初がこだわりとプライドと厳しさにあふれた職場ですと、甘えが許されないのが仕事とすり込んでいるのではないでしょうか。
⇒この点は、賛同者が多かったですね。
その上で佐藤先生は「誰の下につくかは一生ものとなる」とします。
私の体験ですが、短い在職期間ながら、現在まで年賀状のやり取りや、私のその後を気にかけて下さる諸先輩もいれば、20年一緒に仕事をしても退職後はきれいに無関係という人もたくさんいます。
自分はどちらの先輩上司を目指しますか?ということですね。
佐藤先生は「ポイントは関心、配慮、期待にある」とされます。
具体的な説明は次のようになります。
「関心は1人ひとりの個性と履歴(表の経歴、裏の心の履歴)、どうやって関心示すか。1人ひとりと面接することだ。
配慮はまめな声かけとまずは当たり前の挨拶、マナー、報告連絡相談を徹底的に教えることだ。
期待はその上で何をしてほしいか明確に具体的に教えること。」
実務の中では、「関心、配慮、期待」を大事するのは、創業経営者に多いのですが、その割合は残念ながら低いと感じます。
自分の部下の好みで、感心、無関心を使い分けるタイプはかなり居ます。部下にまったく関心を示さないとか、それが苦痛だと言う人もいます。
配慮については、自分が配慮するのではなく、部下が上司に配慮すものとしている人もいます。
期待も、期待過剰の場合もあれば、全く期待しない人もいますし、期待しているとポーズだけの人もいます。
期待を具体的に示さないまま、評価だけはする人もいます。
言ってもムダ、言うだけ無駄とまでいう人もいます。
良し悪しではなく、これが現実の一面だと思います。
これらのことから、部下にとって「誰の下につくかは一生ものとなる」という佐藤先生の指摘は重いものがあります。
ここでの吉見のまとめは、トップ先輩社員の個人個人の気持ちや仕事の実態を踏まえて「昇格=役職付与」を考えて、部下指導を任せて下さい。
そうしなければ、伸びない新人や潰れていく新人、さっさと退職する新人が続くリスクを抱えることでしょう、としました。
[ 更新:2017-10-16 10:09:28 ]