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赤字になったら、急いで1円でも黒字にする

2期連続赤字になったら「これはやばい、タイヘンダ!」と思うこと

売上が急に激減した場合、年間経費がそれほど変わらないとすると、大きく赤字を出してしまうことになります。
そうなった場合、すぐにでも赤字を止めて、収支トントン(1円でも黒字)にしないと、その企業はアッという間に資金繰りに詰まっていきます。
仮に2期連続赤字になったなら、やるべきことは「縮小均衡(ダウンサイジング)」です。
つまり大きく減少した売上規模に見合った経費に、何が何でもしなければならない、ということです。

事例ですが、売上(年商)が2億円、経費が1.9億円、利益が1千万円の企業があるとします。
この企業の経費1.9億円のうち、固定費が0.9億円、変動費が1億円(限界利益率50%)だとします。
もし売上の2億円が激減(25%減少)して1.5億円の売上になったとした場合、変動費は売上減少に応じて減るので、0.75億円となります。それに固定費0.9億円を足して経費は1.65億円となります。売上1.5億円で、経費1.65億円となれば、赤字は△1千5百万円と、かなり大きな数字となります。
このような場合、普通の感覚の経営者であれば、当然のこととしてまずは経費を削減することをします。
しかしこんな状況で応急的な経費削減では、大きな赤字はとても埋まりません。
応急的に経費削減をやりながら、あらためて損益の見直しを徹底し、収支トントンになるまで経費の在り方を見直します。
売上1.5億円で、変動費0.75億円であれば、固定費は0.75億円まで圧縮しなければ、トントンとなりません。
固定費0.9億円を0.75億円にまで下げる(20%の経費圧縮、年間で1千5百万円縮める)にはどうしたらよいか?
人件費、家賃などの固定費であっても、まっさらな状態から考えて、圧縮できる経費を積み上げていかなければなりません。
経費をいくら下げられるのかという考え方ではなく、「回復しない売上でもトントンとなるには、使って良い経費科目は何で、いくらまでなのかという考え方にしなければなりません。
売上が激減しても、赤字慣れをしている多くの経営者は、そのうち売上は回復するのでは、とい軽く考え、待ちの姿勢を取る人も多いのです。
しかし、新規創業の企業の場合、売上の見込みのないま限界利益以上の経費を使い続けるでしょうか?
現在の売上が自社の実力であると認め、実力に合わせた経費の適正水準を決めましょう。
2期連続赤字となったなら、来期は売上が回復するという安易な考えは捨てて下さい。
「赤字は罪悪だから1円でも黒字にする」そして3年以内に累積の欠損金を消すという覚悟が必要です。

このような場合、絶対してはいけないのが、粉飾決算を行って赤字を黒字に見せて融資を受けようとすることです。
なぜなら、粉飾決算で受けた融資は、赤字を補てんする融資ですから、有利子の借入金総額はどんどん膨らんでいきます。
借入総額はいつまでも膨らまし続けることはできないので、いずれ融資はストップしてしまうことになります。
このように売上が激減した場合、経営者が判断に時間をかけすぎたり、判断を間違えてしまうと、取り返しのつかないことになってしまうのです。

[ 更新:2017-05-24 10:19:17 ]

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