継続契約先には、毎年必ず同じ手法で決算書分析を行い、変化の有無を一緒に確認します。
経営ですから、目に見えて変化があった方がよい場合もありますし、じわじわと変化する方が穏当な場合もあります。
前期までやってきたこと、やらなかったこと、できなかったことを、新年度も同じで良いのか、財務数字とその分析データを見ながら考える時間は有効と思います。
先週、2社とこの時間を持たせて頂きました。
1社目は無借金経営で、自己資本比率100%の会社です。人口減の少子高齢化の時代の影響をじわじわと受けています。
危機感を強く感じているのは若い後継者ですが、慌てて急いで何かをしなければいけないとう場面でもないので、現状を数字でしっかり確認する場でした。
一番有効だったのは、過去15年の損益計算書から読み取れる収支構造の変化でした。
新築投資物件のメンテナンス費用の増加と、人件費の法定福利費の増加が目立つものの、その他は堅実な支出が続いています。
過去15年の主要商品、サービス別売上推移表からは、人口減の少子高齢化の時代の影響が、7年前から数字に表れるようになっていました。
新年度は、無駄遣いが目立つわけではないけれど、絞れる経費は地道に絞ることを優先目標としました。キャッシュフロー経営の徹底ということですよね。
次に主要既存客へは、まだお使いいただいていないサ―ビスや役務のアナウンスを丁寧に繰り返すこと。
そして時間はかかっていいので、次世代客層をターゲットとする商品開発の取組です。
既存客にはマイナーチェンジ商品やフルモデルチェンジ商品をお勧めし、新規客には新商品をお勧めするというイメージで行こうとなりました。ここの社風からは、地味にコツコツ取り組んでいかれることと思います。
2社目は、過去何度も投資が先行し、その効果が2年のタイムラグを持って現れてきている会社です。
いろいろとお話しする中で、早ければ今期で先行した投資コスト(損失)を埋めることができそう、ということの確認ができました。
そのトップから頂いた言葉で、私が嬉しかったことは、「過去15年の決算推移表をこうして見ると、過去自分が何を考えて経営をしてきたか、その年ごとにハッキリ思い出せる」というものです。
「経営者の意思が、必ず経営数字に反映する」ことを認識される経営者のマネジメント力は、とてもパワーがあるものですよ。
[ 更新:2017-05-02 11:26:39 ]