他者に責任を転嫁する生き方しか知らずに来た人に、新しい一歩は踏み出せない
「賢者は、歴史からも経験からも学ぶことができる人。 愚者は、歴史からも経験からも学ぶことができない人。」
これは作家の塩野七生さんの指摘です。
「何故なら、歴史とは経験の集積にすぎないから。」として、「自分の過去に対し、疑いを持たない人間は、不都合があるとそれを他人のせいにする。他者に責任を転嫁する生き方しか知らずに来た人に、新しい一歩は踏み出せない」と・・・
これは厳しい指摘ではあるのですが、倒産に瀕する経営者や新規事業の立ち上げになかなか成功できない責任者にはこの傾向があります。
反省とお詫びのない人、失敗の事実を認めない人、自分の能力のなさを自覚しない人を前に、コンサルタントの私は無力でした。
特に同族会社での親子夫婦の対立が長年積み重なる場合、塩野七生さんが指摘される「当事者は、積み重なった憎悪や怨念から自由になるのが難しい」とは重い言葉です。
ただ血縁である親子は、お互いの心の奥に許しがあり、激しい対立があっても、不思議にリセットできる親子ゆえの柔軟さ(懐の深さ)もあります。
ここを頼りに、対立を乗り越えた和解への道を歩めることを信じていきたいものです。
[ 更新:2016-11-12 11:34:47 ]