20日の日経新聞の本の広告に、人事コンサルタント松本順市さんの著書が出ていました。
松本さんは元お魚屋さんだったかと記憶しています。自分の社員に「プライドと自信を持って仕事をしてもらいたい、中小の魚屋だって十分な給料を払ってやりたい」と強く願って、試行錯誤の結果完成させた人事給与のノウハウを、多くの人に試してもらいたいと提供され、現在人事コンサルタントとして活躍しています。
私のお客様経営者が参加された研修資料を3年前に拝見しましたが、仕組みはとてもオーソドックスで、かつシンプルです。
どの会社でも導入可能ですし、すでに似たような仕組みをすでに運用されているかもしれません。
私の記憶で要約すると、次のような簡単で優れた仕組みです。
まず、社員の定着を図る。
社員の定着がなければ、仕事の経験は積み上がらないし、仕事のスキルも磨かれないし、ノウハウの蓄積もできません。
ですから、ある程度の社員が定着する会社にしようというのが第一だったと思います。
次に、定着した社員が勤続年数を重ねることと、キャリアアップすることを比例させる仕組みを作って行こうとします。
勤続年数に伴って、会社が期待する成果を積み増せる人になってもらおう、ということです。
言い方を変えると、社員の勤続年数と年齢に比例して、会社が期待する職務能力と生み出して欲しい成果を事前に明示し、定期の人事評価につなげようとするものです。
とても分かりやすいのは、今期の期待する成果(計数で個人別に課す)を生み出すために必要なキャリア別行動指針を毎年具体的に明示し、そのために必要な今期の職務知識の習得を課し、自己評価と上司評価、さらに社長評価と面談によるフィードバックの場も作ります。
会社は組織で運営されるものですから、協調性も別途人事評価項目として事前に設定するのも個性的です。
人事コンサルタント松本順市さん本を読んでも、たぶん研修に参加されても、あまりに当たり前すぎて拍子抜けするかもしれません。
でもそれだけ真剣に社員の成長と業績の向上を、密接にリンクさせて見ていない現実に気づけると思います。
最後に社員にとって大事なことは、成果の一定割合は、昇給なり賞与なりで、必ず社員に還元させることです。
この仕組みが気にいらない社員さんは、トップと価値観が一致しないので、早期の転職も勧めているようです。
私はこの仕組みはとてもオーソドックスで、かつシンプルなので、中小企業には有効と思います。
最後に、私も人事給与制度の支援をしています(笑!)
[ 更新:2016-10-21 16:16:15 ]