大変遅くなりましたが、佐藤茂則先生の講演の内容をお知らせします。
スタートはマネジメントのお話から入り、後半はワークとカウンセリングの手法である参加者同士の対話による気づきの体感、そして総括と進みました。
終了後は吉見ゼミメンバーとの懇親会。少し遅い時間の開始でしたが、和やかに歓談し、お酒も美味しくいただきました。
毎回少しづつでもメンバーが増えることを願っています。
ミック研究所 所長佐藤茂則先生の講演から
1.85対15という比率
これは、カーネギー財団が調査したもので、「優秀な経営者が大事にするものの割合を表し、15%の理屈・論理に対し、85%が相手の心に響くもの、相手を励ますものだった。」というもの。優秀な経営者は共通して、相手を認めて、ほめて、心に届く(響く)メッセージを投げかけ、理屈ではない信頼関係をつくっているというものだ。
2.変化への対応は「まず守りから!」
(1)守りの内容
@ 守る力:決めたことはその通り守ることであり、守らせること!(例)〆切日の厳守。
A報告する力:今日の報告は必ず今日済ませる。「その日の仕事はその日のうちに」
B書く力:日報や報告書を速やかに情報として書き上げる習慣をつける。併せて読む力、場合によっては声に出して読み合わせることにより、点検(チェック)機能が強まる。
C点検力:車、機械、事務機器、製品、自分を日々点検する。あいまいにせず、調べる癖をつける。
D5S力:整理・整頓・清掃・清潔・しつけ。
3.中小企業は成功も大事だが、まず継続・持続を重視せよ。
存続するために、小さな良いことを愚直に積み上げる。 欲望がエスカレートするとどうなるか?
4.セルフ(自分自身、自己、自我)の強化
人間は本来保守的なものだから、急激な、画期的な自己変革などあり得ない。小さなプラスの変化を積み上げること。
(1)まず自分への「気づき」が自助努力につながる。
@自分を客観的に見る力がある。
A自分を24時間感情に左右されず、自律(セルフコントロール)できる。
B自分で自分に次の3手を提案ができる。
C自分をとことん信用し、自分を尊重できる。自分を助けるのは自分です。
*気づいて動くことにより、自己の能力開発につながるが、気づいても動かなければ、何もしなければ、自己の能力開発にはつながらない。
(2)人の力を借りる=自力+他力
人は誰も弱さがあるから人の力を借りる。家族に一人、職場に一人、外部に一人、自分の力になってくれる人が居ると良い。
5.タテ(階層)型コミュニケーションとヨコ型コミュニケーションを使い分け
(1)コミュニケーションの考え方
@ 人は自分を分かってもらいたい、受け止めてもらいたい、認めてもらいたいと思うものだから、関わる相手を理屈ではなく分かってあげよう。(受容希求の原則)
A 問題を持っている人が問題を解決できる人。問題意識のない人に、速やかな問題の解決は期待できない。(問題所有の原則)
BAの問題を解決しようとする人には、その達成をサポートする人が必要。(目標協働の原則)
C人は認められてやる気が出るし、やる気は増すもの。(承認評価の原則)
D一緒に過ごし、働き、語らい、飲食を共にする。(時間共有の原則)
(2)コミュニケーションの技術
@ 自分から挨拶をし、社交的会話を楽しむ。
A相手の話をしっかり受け容れ、素直に共感する。
B上手な質問の仕方を習得し、質問しながら解決策が具体化できるようにしよう。質問をして考えさせる、質問をして気付かせること。このプロセスを経ると、その答えは相互に承認されたものとなる。
C常に相手のこと思って提案をする、助言をする。
D約束の形にし、その内容を確認し、しつこくフォローアップすることを日常業務とする。
*人間は関わりの中で確認をし、意思決定をしていく。社内でこのような関係性を持てるように場を作っていこう。
6.管理サイクルのモデル
C(現状確認)−P(計画)−D(実行)−C(チェック)−M(マニュアル化、標準化)−A(実行)−E(習慣化されるまで教育の徹底=あきらめない、しつこく)
(文責:創造経営コンサルタント 吉見)