意思疎通、コミュニケーションと言葉で言うのは簡単だが、実際に気持ちが通じ合うにはそれなりの工夫がいる。意思(気持ち)は工夫しなければ伝わりにくいものだ。
(1)指示の工夫
部下への指示の仕方でまずいのが、「これやっておいて」と毎回いうパターン。断片的な作業指示を何回積み重ねたところで部品作業は部品作業(助手は助手)にすぎないから、穴埋めしかできない人にしてしまう。私の関わりや自分の体験では、部下に追いつかれまいと意識的にこのように指示する先輩や上司もいる。
部下の育成を考えるなら、@この仕事をさせる理由、A上司のこの仕事の考え方、B仕事の成果物のイメージ(質・量・レベルなど)を毎回教え込む姿勢を貫いてほしい。そして、部下の職務スキルが高まりそうな時期には、上司はトップの目線で、部下の仕事の思考形式をトップの期待する方向に沿うように教え続ける。それが中小企業の上司の役割だ。
社員は会社のためとお客様の為に尽くし、会社も社員個人とお客様のために尽くす時代だ。
(2)現場での意思疎通
事務職であるなら紙と鉛筆を使って仕事をする。今ではパソコン、電卓、事務機器となっている。工場では機械という物質とそこに投入する原材料というモノを相手に仕事をしている。その現場には必ず複数の人がいる。人はモノではないからコミュニケーションが仕事の潤滑油となるしコミュニケーションが仕事の大事な要素となる。
聞くこと、読むことが不正確だと誤りのもととなる。だから伝達する人の話し方、書き方が正確であることが求められる。正確に書いても相手にその理解力がなければ時として誤りにもなる。言った、言わないと我を張って現場で言い合ってどうする。言い方の上手下手、良い言い方、悪い言い方もある。聞き方にも同じことがある。相互に通じ合わせようとする「心」が必要だ。