上り坂と下り坂が同じ数のように、権利と義務も同数です。
7月に布施明のコンサートに行ったとき、彼は離婚後子供に月2日面会する権利を得たそうです。最初はアメリカに会いに行っていたそうですが、仕事に追われ会いに行けない月が続くと、「会う権利を得たということは、お前は会う義務を背負ったことだ。その会う義務を怠ったことに損害賠償を…」と先方の弁護士から通知が来たという話をしておりました。
仕事で伺う企業でも、年齢に関係なく、働く義務の履行が不十分なのに、権利だけ主張する、文句だけいう、何かというとお金を求める人が増えつつある様に感じます。これは決して良い傾向ではありません。
採用のときの履歴書でも、嘘とまでは言わないものの、詐称とは言わないものの、誇大に実績の履歴・資格を列挙する人もいます。資格を取る能力と、実務力は必ずしもイコールではないでしょう。働きではなく、資格に給与を払うべきと誤解している若者も見られます。他社での成果が当社にももたらされるものかも疑問です。
ですから、私たちは関わる人の真実と嘘の境界を見抜く必要もあります。その上で、そのような人を雇った以上は、使いこなす巧みさが必要です。
また、私たちは欠点を持ち合わせています。だから補い合うのです。人と見比べ、背伸びをして自分に完璧を求めると疲れます。相手に完璧を求めても、ストレスが募ることもあります。それぞれの立場、能力、キャリアに応じて譲り合い、思いやり、それにただ甘えることなく自分を成長させていくのが、自立した人生を歩むことではないでしょうか。