なぜ場違いな感じとなるのか、なぜ業績が低迷するのか、なぜ地域経済が疲弊するのか。乱暴に単純化すると、「人と人のつながり」が不適切(アンバランス・不調和)になっているからと言えませんか。
職場の内外で、あるいはご家庭で、ふと「場違いな感じ」になることはありませんか。私は業績好調の企業支援にも関わりますが、業績不振の企業再生にも関わります。地域経済が没落していくローカル地に仕事や観光で行くこともあります。私が生まれた炭鉱の町も、昨年夏に30年ぶりに行ったのですが、そのような感じになりました。子供の頃と比較し人口は三分の一以下、通った幼稚園も小学校も、病院も駅もなくなっていました。
なぜ場違いな感じとなるのか、なぜ業績が低迷するのか、なぜ地域経済が疲弊するのか。乱暴に単純化すると、「人と人のつながり」が不適切(アンバランス・不調和)になっているからと言えませんか。人と人とのつながり方、縁結びが悪化しているのです。広がるではなく縮む、集うのではなく離散する、与えるのではもらおうとする、つながりが連続するのではなく寸断される流れになっているように感じます。と言っても、この流れを個人レベルで変えるのは決して簡単ではありません。
また、人は経験の動物です。無意識で行動することが実に沢山あります。同じ環境で長く暮らすうちに、知らず知らずのうちに、日頃の決まりきった接し方や関わり方、自分の近辺の居心地の良さにシフトします。そうなると、地域でも企業でも、組織が維持・発展することに不可欠な新陳代謝が行われなくなっていきます。
人口減というのも、流入人口が極めて少なく、流出人口が増え続けた結果ですから、元気な地域から人口減の地域に来ると、淀みや活性化してない雰囲気を感じ、なんとなく「場違いな感じ」になるのでしょう。しかし中にいる人達はこうした変化にあまり気づかないようです。慣れて、それが普通のことなのでしょう
組織を活性化するためには、私たち個人を取り巻く身近なネットワークと、普段はあまり意識することもなく、接触も少ない遠くのネットワークの間の情報伝達経路をつなぎ直しすると良いと言われています。うまくつなぐと新鮮な情報がたくさん入ります。ただし、遠くからの情報が豊富に入るようになっても、それを受取る個人と、その人の身近なネットワークとの関係が疎遠ですと、情報は生きることがなく途絶えます。私の業界では、「情報の質と量は、移動距離に比例する」と言っています。厳しい時だから、積極的に外にも出て、いろいろな人脈をつたって、今より元気に、心が幸福になるヒントを見つけ、仲間と一緒に実行していきましょう。