【事例会社の概要】
創業は昭和57年(1982年)、社員数わずか13名にして年商6億円。卸売業ながら売上総利益率20%超、売上高経常利益率5%以上を継続。自己資本比率:70%超。このような会社が北海道に現実にあります。
どのようにしてこのような会社にしていったのか、見ていきたいと思う。
<1.印象に残った言葉>
・ 「生活レベルはほどほどに、不必要に上げてはいけない。」表現を変えると、手取り収入の範囲で堅実に暮らすということになろう。
・生育環境に恵まれてなくとも、人のせいには一切しない。責任転嫁をせず、自己責任で暮らし、仕事もする。
・「結婚後は仕事、仕事で家にいなかった。4時間眠ればよかった。」明治・大正・昭和一ケタ生まれの人は実によく働いたと思う。
・「御世話になった先代社長からは『二兎は追うな!』と教えられる。」今の言葉では、選択と集中と言うことになるだろう。
・「この先代社長は、明治生まれながら、英語が話せた人だった。」時間と空間を広く捉えることの重要性を示唆している。定期的に北海道を出て、本州でも海外でも出かけると、視野は広がり情報は質も量も増えるもの。
・卸部門を自分で発足させる。創業とは生み出すこと。これはエネルギーがないとできないもの。
・「先代社長の褒章受賞祝賀会の受付を担当する。先代社長の親族が親類をあまりに知らないことから、50人あまりの『いとこ会』を発足させ、その幹事を勤める。」親類縁者の人間関係の広がりは、組織の広がりに通じるもの。人との交流の狭い人は、商取引の広がりはあまり望めない。
・「バブルのマネーゲームは良い時代ではない。」お金がお金を産むのは不自然。実際、マネーゲームは、ババ抜きや賭博に似ているように思う。
・「テーブルを囲んでの座談は2時間でも3時間でも話せるが、演壇を前にするスピーチや講演は苦手。『場慣れ』と『練習』は異なる。多数の人前での話は練習ができない。」
・「会合の進め方で、指名し発言させるスタイルを体験し、良い手法と気づかされる。」
・「自分はやさしい人間と思っている。」本音は優しい人のところに人は集まるもの。水は低き所に集まり、人は徳の高き人の所に集まると言う諺の通り。
・「独立は体力のあるときか、資金と信用のついたとき。」この言葉は名句と思う。
・「人間関係構築には3年は必要。業界で名前や印象を残すことは大変。」覚えていただくということは結構大変なこと。必要がないと思われると、ドンドン忘れ去られていくのが現実。
・「時代は変わり、今はいい時代になったと思う。」私自身、子供の頃と比べると実に幸せな生活ができている。感謝!