毎年安定した売上があり、毎年の利益もこれまでのストックも十分であれば、今のスタンスのままがいいでしょう。
創業間もない社長や、新事業を立ち上げた社長でであれば、売上をあげる(受注する⇒継続する⇒紹介を頂く⇒受注する)ことに執着していただきたいのです。
「売上をあげる」といっても、漠然としたものや、精神論ではなく、会社の存続と維持に必要な売上高として数字で目標設定することは欠かせません。
「軌道にのるまで三年はかかると言われているから、最初は赤字でも予定の範囲です」という人もいますが、三年経ったら誰でも自然の軌道に乗るもんじゃありません。
新規事業の場合、「新しい事業だから新しいお客様開拓!」という人もいますが、知名度持信用度もない状態では、そう簡単に必要な売上の新規客数が集まるものではありません。
古い既存事業であっても、売上を二ケタ伸ばすのは簡単ではありませんから、新規事業や創業であればなおさらのことです。
お付き合い売上やご祝儀売上、交際費売上などもこれまでのご縁から派生するものです。
とにかもかくにも売上をあげる、売り上げが続くことに関心を持って、軌道にのるまでは利用できるものは全て利用させていただくこと!
「利用」は言葉が悪かもしれませんが、利用に対するお礼を欠かさなけれればいいのです。
お礼も最初のうちは、身の丈や懐具合に応じてでもいいでしょう。
売上に直結しないことに興味を持ったり、新たに始めたことが浸透する前に、辛抱しきれずにあれこれと手をだしたりすると、ほとんどが中途半端となって定着せず、3年後や5年後には経営が傾く事でしょう。
油断もいけないし、自分の能力の過信も危険です。
ビジネスの世の中は、そんなに簡単ではないし甘くもないもの。
四六時中売上につながることを考え、人に会う度に自分の商売をアナウンスし、自分も売り込むけれど、一緒に売り込んでくれる社外の協力者に恵まれるかどうかも重要です。
年賀状を毎年出す相手から、「今何やってんの?」「どこの会社にいるの?」「何売ってんの(扱っているの)?」と訊かれるようであれば、マーケティング理論以前の問題があるかもしれません。
自分がこれまで他者の支援や応援をして来なかった場合は、簡単に無償での協力は得られませんから、当分は自力での頑張
りが優先です。
今すぐに売上をあげなければ本当に危険というときは、新しい顧客を取りに行くことを優先しても効果は薄いでしょう。
既存客や過去の取引経験のある方に、別の商品やサービスを提案して、心を込めてお願いをして買っていただく。
これが受注を急ぐ場合の最短距離です。
でも、既存客や過去の取引経験のある方が、満足感を持っていないし反応がないとなると、この商売を続けていいのか考えるとともに、自分の過去の仕事ぶりと顧客への向き合い方を謙虚にかつ深く反省することは欠かせないでしょうね。
[ 更新:2018-06-03 14:58:15 ]