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当たり前のことを当たり前に

「当たり前のことを当たり前にしよう」とはよく使われますが、その「当たり前」に内容の理解は共通されていますか?

「最近の若い人はダメだね。俺たちの年代と違い当たり前のことができない」
「転職者の履歴書の内容は立派だったけど、うちの会社の当たり前が全然できないじゃん」
という会話を聞いたことがあると思います。
入社後しばらく経ってこの会話であれば「最近の〇〇人はダメだね」と言って終わらせてしまうマネジャーのほうはどうなんでしょうか?

皆さんは次のような体験はありませんか。
お客様のところへ一緒に行ったとき、 事前に指示した下調べをしないままだった。
指示した準備資料が用意されていなかった。
きちんとアポを取っていなくって、空振りとなり再訪問となった。
これはずべて私の経験です。

嘆いて、愚痴っても始まらず、私の指示や指導や細かな確認の問題でした。
このような仕事をするのは部下全員ではありません。だいたい特定の部下なので、他の部下と同じ感覚で指示や指導や口頭確認で済ませたことによる結果です。
自分の部下の不出来は、上司である自分で解決するのが当たり前です。
そう割り切らないと、複数の部下との仕事は続けられませんでした。

仕事に慣れてそこまで面倒なことはしなくてもしいと、仕事を軽んじ、そのお客様内はこれくらいでいいとお客様を軽んじ、上司の話はまた訊けばいいと軽んじる部下の姿勢の結果ですから、それができるようになるまで上司がしつこく指導するしかないんです。 
それを当たり前の仕事、それが管理職手当の仕事と思って、向き合わないと、彼のレベルに仕事のレベルがどんどん下がって行きます。
会社にとっての当たり前のことができていないのだから、その部下に先輩や上司が腹が立って当たり前。 
だから目に余ればビシッと言われるのが当たり前。それが嫌なら、自分から辞めるのも当たり前。

一歩引いてやんわり言うと、それが必ずやらなければいけない「当たり前のこと」だという認識を持たない、という経験も過去に何度もさせられました。

「3年も5年もうちで研修を何度も受けて、懇切丁寧な先輩の指導を受けて働いて、あたりまえの基準が低いままの部下はどうにもならん」と言うのではなく、「入社してたかが1~2年なら、まだいいじゃないか。次は注意しろよ。」で済むけれど、3年も5年も働いて、教えられた『当たり前』のことがまだできていない部下(面倒でやらずに済むならやりたくない部下)には厳しく上司が言うしかないでしょう。
部下が嫌な顔をしようが、腹を立てようが、それは、「指示された当たり前のことをしないお前が悪い」と、何度も注意するしかないでしょう。
そう言う部下は1回ではダメだから3回は言う。それでもダメなら5回言いう。念のための確認もする。
そこまでしないと、やらない部下がいるのが現実です。
だって普通の部下には、このように困らないものです。
普通じゃない部下に「当たり前」を教えるには、それくらいの向き合い方が必要という経験をしただけです。
自分が「当たり前」だと思っていることが、会社の「当たり前」と違うことには、そう思い込んでいる部下が自分から気付くことはできません。
わが社の正しい「当たり前」とは何か、上司が本気になって、部下に気付かせて馴染ませてあげることが、長い目で見るとその部下に対する優しさになっていくことでしょう。
人も組織も、「当たり前の基準」を上げて、仕事の質を上げていくから顧客満足につながります。
社員の年齢が下がるに伴い「当たり前の基準」が下がり、仕事の質が下がっていく会社に、顧客は魅力を感じないことでしょう。

[ 更新:2017-03-13 16:20:45 ]

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