勤勉を実践されていたという二宮尊徳さん、最近の若い方はご存知ない人が増えています。これも仕方がないことなのでしょうね。
二宮尊徳さんは、「道徳は実利に結びつく。道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である。」と言ったそうですが、経営者には実に厳しい戒めですね。
加えて、「分相応の利益で生活を守る」という、今でいうキャッシュフロー経営も勧めていました。
二宮尊徳さんの時代は農業生産主流の時代だったでしょうが、地域全体の生産性を上げるために、共同で投資することもされたそうです。当時で「生産性」という概念を持っていたことは凄いと思いますし、「共同で投資する」ことで投資効率は良くなるし、協働することでそこで得た知識と体験も地域の共有財産になりますから、確かに生産性のアップにつながっていきます。
その上で「足るを知り、それを満たす(分度)」。すなわち適正利益を把握し、毎年適正利益を生み出す。加えて、それを超える収穫を得るための勤労と、分かち合い、公共のための奉仕、必要に応じて寄贈も惜しんではならないと、超過利潤の再配分を説いていた言いますから、頭が下がります。
最後に、「自分が帰属する社会に誠(真心)を尽くす。」
自分のために生き、家族一族のために生き、取引先に誠(真心)を尽くし、地域社会に貢献する生き方は、日本人として失ってはいけないように思うこの頃です。
[ 更新:2016-09-10 08:48:37 ]