過去のお客様で「高品質でバラつきが少ない」という評判で、本州の上場企業と長く取引をされているところがありました。
その会社では40歳台の社員さんたちが一番活躍していました。社員は総数で25名くらいだったでしょうか。
使用材料の選別、顧客要求を満足させる設計、耐久性の高いプロ仕様の品質管理が自慢でした。
同じ内容の再発注であっても、毎回精度を高める工夫を盛り込み、それをアピールすることなく納品していました。
ベテラン技術者の感性に、新たな知識が加わり、さらに高品質の製品の製造を可能にしていました。
当時の経営幹部の悩みは、感性は個人の資質によるもので、社内教育では鍛えられないということでした。
でも「社内の文化に染まっていくことで、育つ者はいる」と信じて、背中で仕事振りを示したのが創業社長でしたが、残念ながら急逝されました。
後を委ねららた技術者は、合理化努力とシステム化の構想力を発揮し、国際標準の社内取り込みにも積極でしたが、創業者のような技術者魂の仕事から、クールな顧客要求仕様の必要で十分な製品づくりへとシフトしていきました。
私がその会社の経営支援を離れてかなりの年数となります。
最近では経営者も替わり、年齢の高い社員さんも退社されたと聞いています。
創業者たちが苦労の上に積上げた顧客信用を維持し、技術者たちが喜びにあふれる仕事をされていることを信じています。
[ 更新:2016-09-09 15:45:00 ]