日本経済新聞 2017.10.18「大機小機」(魔笛)より
この記事では、アベノミクスの景気回復の成果の実態はどうか? として、旧民主党政権下の3年間(2010~12年)と、安部政権下の4年間(13~16年)の経済動向を比較していて、これが面白い。
まず、実質国内総生産(GDP)は安部政権下で4年連続プラス成長ではあるが、年平均は1.1%で、旧民主党政権下の3年の平均1.8%よりも0.7ポイントも低い。
次に雇用動向だが、旧民主党政権下では雇用者数は30万人ほどしか増えず、正規雇用も50万人も減っている。
一方安部政権下の4年間では、雇用者数は230万人増えたが、その内訳は非正規がほとんどで、約210万人も増えたという。
正規雇用は、安倍政権発足当初の2年間で57万人も減らしたが、直近2年間で20万人増えている。
(→差し引きで4年間で正規雇用は37万人の減となる)
(魔笛)氏は、GDPがあまり変わらないのに雇用が大幅増なのは、雇用が劣化している証拠だという。
本当に労働環境が改善していれば賃金も上がるはずだが、所定内の給与等の上昇率は、前政権下の年平で0.4%に対し、現政権では0.5%とほとんど同じ。
他方、ストックは大きく伸びていると指摘する。
前政権下で年14兆円程度の増加であったマネタリーベースは、安部政権下では年80兆円規模の増加という異常なペースだと指摘する。
地価もこれに呼応いるし、都市部を中心に大幅上昇が目立つとされます。
日経平均株価も2万円を超え、前政権下の2倍となったので、家計金融資産も大きく膨らみ、前政権下の年率1.8%の伸びに対し、安部政権下では年2.9%ニ伸びている。
つまり、異次元金融緩和は、数字上金融資産を大きく増やしたが、実体経済は伴わないとされます。
株価をバブルの様相とみるか,金融危機を起こしかねないとみるか、さあどうでしょう?
[ 更新:2017-12-19 13:11:50 ]