職務能力や社会人としての成長は、理想は自ら求めて修得していくものです。しかし現実には、そのような行動を取る人材は少数なので、多くの普通の人材に対し継続的に職務能力をつけさせるために、企業側で教育訓練の場、自己成長を後押しする場を設けます。
実力を認められて引っ張られる場合は別でしょうが、企業内での年収や地位は、社員がこれまで働いてきたことを評価された結果として得られる待遇です。
最近は、成果主義や実力主義が前に出る傾向があるせいか、「自分の労働市場での商品価値を磨くために、最初の職場でスキルアップする」「転職に有利な資格や職歴を求める」風潮が強くなっています。
入社3年後での退職者、30歳前後での退職者も珍しくなくなっています。
昔の話と言われるとそれまでですが、私の親の世代は、一旦就職した以上、先輩や上司の迷惑とならぬように早く一人前になろう、職場仲間とは良好な関係をつくろう、実力をつけて良い仕事を残そうと、自分の腕を磨くために寝食を忘れて長時間仕事に没頭し、夢中に仕事と格闘した結果、「気づいて見たら周りの人が、その人の仕事に商品価値をつけてくれていた」というものだったと思います。
今更私の親世代の価値観で、今の時代の仕事観は論ずることはできませんが、今の時代にも自己成長には欠かせない働き方もあると思います。
企業が関わる六種の利害関係人(ステークホルダー)の中心となる従業員への労働分配も、無制限ではありません。
一定の枠決めがある以上、年収や地位は、誰かがそれを得ると、誰かがそれを失うか、新しく得るチャンスはしばらく遠ざかります。ゼロサムの原理が働きます。
しかし、個々人の仕事の能力アップや社会人としての成長は、職場仲間との関係性でシナジー効果が期待できます。
そうなると、ゼロサムではなくプラスサムの原理が働きますから組織も活性化します。
少子高齢化の中での40年以上の職業人生を豊かにするために、仕事の能力開発や自己成長に長期戦で取組み、本業を通じての社会貢献をして行きましょう。
[ 更新:2015-09-27 10:50:02 ]