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生い立ちの違い

一昨年くらいから「ダイバーシティ」という言葉を見聞きすることが多くなりました。私は正確な意味も、微妙なニュアンスも分からないので、自分では「ダイバーシティ」という言葉は使わぬようにしています。

 私達は両親のもとに、それぞれの個性ある家庭で生まれて、両親と親類縁者や地域に住む人達との関係性の中で育ちます。大人になり、「ライフスタイルが違う・・・」という意見を聞きますが、両親の個性も家庭の文化も皆違いますから、日本人同士であっても、同じ地域で生まれて育っても、お互いが異なる文化を持っています。ですから、ライフスタイルが違うのは当たり前なのです。誰しも感情を持った生身の人間ですから、対人関係で柔軟性が失われてくると、異文化との接触が苦痛になることがあるでしょう。私自身今の年齢になっても、この違いを前にして時々苦痛を感じる場面があります。対人関係とはそういうものではないでしょうか。
 小学校(保育園や幼稚園も同じと思います)に入ると、自分の家と異なる多様な家庭文化を背景に育ってきた様々な個性の同じ年齢の子供たちが、いわばごった煮状態で混じりあう学校生活をおくります。学校が集団(組織)の中での生き方を学ぶ場とするなら、ある意味当然かもしれません。この状態が中学校まで続き、以後高校生くらいから大学まで、偏差値で輪切りにされた集団で成長します。社会人生活をスタートしても、同業及びその関連業種の人達の職業集団の中で人生を歩みます。そうなると、異文化を持つ人や異文化を表す人とは、自分が望まなければ(避けようと思えば)、最小限の接触で済ませることができます。そのような生活が長くなると、異文化との交流は、本人が望まない場合は強制であり、理不尽な押し付けと受け止められます。
 昭和50年以降の暮らしはとても豊かになりましたから、一般家庭でも幼い頃から個室が与えられます。自分ひとりになれる空間、個人でいられる時間、孤独にいられる時間を経験して育った心身は、私の子ども時代やの親世代が当たり前であった「雑魚寝文化」に戻ることはできるでしょうか。
 人を理解し、自分を理解する時に、育った時代背景と環境と照らし合わせて行きましょうということを、家系調査の自分の成長過程の振り返りの過程で気づけると、対人関係の悩みを減らすことができます。

[ 更新:2014-06-16 10:30:53 ]

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