創造経営吉見ゼミを始めた理由
私が創造経営吉見ゼミという少人数の勉強会を始めてお陰さまで5年となります。この経営ゼミをスタートさせた目的は、経営改善を支援するにあたり、理屈で動いてくださる経営者は意外と少ないものです。頭で分かっても、改善行動がかなり遅れることもあります。これで良いわけがありません。そこで、本当に頑張っている経営者の皆様に集まっていただき、相互に刺激を与え合っていただこう、若い方や創業して年数の浅い方には、経営を何年も持続させる経営者の厳しい姿を目の前にして、規模が小さいときから、若い時から、長く続ける経営の厳しさを感じ取って欲しいと願ってスタートしました。即効性を期待される方、ご自分の営業開拓に来られる方は期待はずれのようで、すぐに参加されなくなります。会社を持続させよう、成長させよう、自分も伸びようとされる方を中心に、創造経営吉見ゼミが今年も続いています。
経営ゼミに参加される方と異なり、業績が右肩下がりの続く企業では、経営者自身が、景気が良かった時と働き方をほとんど変えていないものです。人間だから当たり前なのでしょうが、業績が悪化し始めても、概ね毎日同じ時間に起き、同じ時間に出勤して、同じ時間に帰宅しています。当然仕事の取り組み方もほとんど同じです。それでいて「自分は頑張っているのに、成果が出ない、部下が反応しない・・・」と嘆かれます。
昭和40年代に高度成長期があり、その後のバブル景気もはじけ、リーマンショックが有り、その後も現在まで多難なことは続き、日本企業は大手も零細も大変厳しい経営環境に置かれています。ここで経営者自身が率先して働き方を変えなければ、プラスの成果なんて出せるわけがないと思いませんか。景気が良かった過去と同じように働いていて、「俺はこんなに頑張っている!」なんて、なんか変です。
皆さんは毎日、どのくらい本気で働いているでしょうか。業績が良かった頃と大変厳しい状況にある今とでは、働き方を大きく変えているでしょうか。是非自問自答してください。
企業の経営者と、一般的な社員さん(役職がある人も含む)を単純比較するのは少し酷かもしれません。今私たちが置かれている環境は、どんな立場の社員さんでも、仕事への取り組み方が過去の惰性のままで済まされないことは明らかです。
「いや、自分では工夫もしているし、頑張ってもいる」という社員さんもいるでしょう。 しかし、今のご時世、ライバルだってかなり頑張っています。それは、自分が想像する以上と考えてみたことはあるでしょうか。
今、日本中の中小企業経営者は必死で働いています。世代交代も進んで、若くてやる気のある人も増えています。しかし、競争相手として遠隔地からの参入もありますし、大手の中小企業の領域への参入も続きますし、加えて外国人も参入してきています。そうすると、現在求められる頑張りの度合いが、昔とは(5年前10年前とは)明らかに違います。厳しいかもしれませんが、「普通に頑張っているだけでは置いていかれる、とり残される」と考えた方がいいのです。
京セラ創業者の稲盛和夫さんは、こう指摘します。「人生の結果=考え方×熱意×能力です」。「人生の結果は、物事に対する考え方と、熱意と、本人の能力を掛け合わせで決まるのです。この公式の肝は『考え方』の最低はゼロではなく、マイナスまで振れるということです。つまり考え方が間違っていれば、成果を得られないどころか、よりひどい結果を生み出しかねないのです。 熱意だけでは、物事はうまく進みません。自分の考え方が間違っていないか、本来の目的からやっていることがずれていないかを常に確認しながら、仕事に取り組まなければならないのです。」
大切なのは自分の弱点を理解し、それにはまらないように気を付けることです。そして、少しでも、それを強みにつなげる意識を持って行動することでしょう。皆様も創造経営吉見ゼミのメンバーになっていただきたいと思います。
[ 更新:2013-04-04 15:40:03 ]