参考:日本経済新聞2012.5.生活25面
内閣府の資料では、大学生の二人に一人が就職難といいます。まず、大学や専門学校に入学するものの、中途退学者が6.7万人もいるというのです。大学等を卒業した者は84.6万人だが、1割弱の7万人が大学院などへ進学する。就職者は56.9万人だが、無業・アルバイトは14万人にも達し、大学再入学や不明が6.7万人もいるというから驚きます。そして、就職者56.9万人のうち、3年以内退社するものが19.9万人というからさらに驚きます。
これらを整理すると、不安定就業者は、中途退学者が6.7万人+無業・アルバイトは14万人+3年以内退社するものが19.9万人=40.6万人に達するというものです。
総務省の労働力調査では、次のように発表されています。
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.htm
○就業者
・就業者数は6215万人。前年同月に比べ23万人の減少。4か月連続の減少
・雇用者数は5449万人。前年同月に比べ17万人の減少
・主な産業別就業者を前年同月と比べると,「卸売業,小売業」,「宿泊業,飲食サービス業」などが減少,「医療,福祉」などが増加
○就業率
・就業率は56.0%。前年同月に比べ0.1ポイントの低下
・15~64歳の就業率は69.8%。前年同月に比べ0.2ポイントの上昇
○完全失業者
・完全失業者数は307万人。前年同月に比べ15万人の減少。22か月連続の減少
・求職理由別に前年同月と比べると,「勤め先都合」が11万人の減少。「自己都合」は5万人の減少
○完全失業率
・完全失業率(季節調整値)は4.5%。前月と同率
○非労働力人口
・非労働力人口は4577万人。前年同月に比べ27万人の増加。13か月連続の増加
厚生労働省は「2012年1月19日、昨年10月に生活保護を受けた人が前月比6,028人増の207万1924人に上ったと発表した。受給者数は昨年7月時点でそれまで過去最多だった1951年度を上回って以降、4カ月連続で最多を更新した。受給世帯数も150万2320世帯で過去最多だった」と発表している。(2012/01/19-11:25)
これが今の日本の一面です。20年前、30年前の常識がかなり通用しなくなっています。確かに人口減少、少子高齢化、産業の空洞化はあるでしょう。しかし、これらを助長するような流れが続いています。今後金融が崩壊するのか、国家が破綻するのか、自然災害や環境問題がさらに頻発するのかは分かりませんが、人に優しさのある新たな常識や、新たな市場や地域との関係性を、私たち一人一人がしっかり関わって創っていかなくてはならぬ時代にいることは事実です、
現実の仕事の場面では、「何ができるのか」という職務スキルが問われます。学歴のある優秀な人材に、職務スキルが備われば強い人材になるはずです。仕事を通じて実体験する機会がない人が増えることは、社会にとって大きな機会損失といえます。
[ 更新:2012-05-21 11:58:54 ]