2月中旬以降、原油高からガソリン・灯油・重油の値上げが毎週のように行われています。目先のコスト高も確かに問題ですが、有難くない投機マネーの動きだけではなく、今後の石油の供給不足や穀物などの供給不足も懸念されています。
吉見事務所では2年前からダウンサイジングを提案し、原価低減や損益分岐点売上高の引下げを関与先と一緒に取組んできました。今後、本格的な物価高が始まると、この努力もあっという間に水の泡となる可能性が強いのです。中期的には、物価上昇とともに値上げができる質(実力)の商品やサービスを持っていないと、値上げが受け入れられない、値上げのお願いとともに取引が打ち切られるというリスクが出てきました。こうした問題に向き合うには、小手先の対応では間に合いません。私達は、これらは避けられない問題として正面から受け止め、社内外の関わる人たちの知恵と力で、経営者が中心となって解決をしていく必要があります。さらなる震災不況の一時的な到来も覚悟して、私たちなりの新技術開発、新商品開発、省エネルギー設備の増強などに取組み、私達と同様に不況と物価高に困っているお客様のためになることをやっていきましょう。社員に対しては、リストラ名目の解雇などは行わず、物価上昇率以上の賃上げができる体力が求められます。
今までのやり方が通用しない時代です。大きな変化の時だから、みんなが大変と感じるのです。お客様が納得できる品質の追求は休むことができません。私達は世の中の流れを読み、得意先の期待・願い・困っていることにしっかり関わり、仕入れ外注先の技術の変化を活用し、社員とお互いの強みで相互にサポートし、適正な対価を得られる商品やサービスの開発に、前向きな試行錯誤を繰り返しましょう。それが高い顧客価値の創造につながります。これが昨年から訴えている中小企業のイノベーションとなるのです。イノベーションの中身も大事ですが、商品やサービスの開発の情報発信とイメージ形成もとても重要です。創造経営吉見ゼミでは、昨年から若い世代の広告関連業のメンバーも加わり、この情報発信とイメージ形成のノウハウも研究したいと考えています。いかに良い商品やサービスを持っていても、顧客(ユーザー、消費者)の話題に上らないもの、店頭やカタログ・セールストークで表現されないものは、無に等しい恐れがあるからです。実力も大事、評判(話題性)も大事ということです。
[ 更新:2011-04-10 11:13:30 ]