最近の若者は・・・というけれど、若者に限らず中高年でも老年者でも、仕事で関わると物足りない人はいる。
改善に取り組む時に、知った様子だったはずなのに始めから、イロハから教えなければいけない人もいる。時には製造業の会計担当のベテランでありながえら、工業簿記も知らず、原価計算の基本も知らず、現状分析のデータ収集が予定通りに進められないため困惑する私に、「知らぬ人間に親切に教えぬコンサルタントが悪い。」「私達のレベルの理解がたりない。無神経。」と言う人もいる。私より若い世代が相手なら「配慮不足でした。申し訳ない、ごめんなさい。」と詫びて仕切り直すのだが、同世代の中高年管理職にしたり顔で言われると、仕事とはいえもの悲しくなる。
私の子供時代は昭和30年代だった。当時と比べると、今の時代は本当に何でもある。実に豊かだと思う。家電も操作は簡単なものが多く、考えなくてもいい便利な時代だ。いつでもモノが買えるし、現金がなくともクレジットやローンですぐ手に入る。金利感覚や借りた物を返す意識の希薄な人も増えている。ここ数年、私の仕事先でも一定の割合で発生し、会社への督促に頭を痛める経営者もいる。
お金はどうしたら稼げるのか、稼いだお金をどう使うと残せるのか、今手元にないもの、値の張るものを手に入れるにはどうしたら良いのか、両親の世代も私の世代も苦労と工夫をして今の年齢になった。
与えられることに慣れきった人が、ただいろいろ欲しがり、いつまでも簡単に手に入るものだろうか。簡単手に入ることが正常なことなのだろうか。自己都合で借りたものを返さずに、貸した方が悪い、余裕があるから貸すんだろうと、踏み倒すべく自己破産が増えることが正常なのだろうか。
自分の限られた稼ぎの中で、自分で考え、夫婦で考え、工夫し、つつましく生活し、見直すという循環の中で暮らす人、一生懸命働く日本人は多かったように思うが、私の錯覚なのだろうか。今と比べると経済的には貧しく、知識も教養も限られていたが、行動力もあり忍耐強かった。最近はそのような人の割合が減る傾向にあるように感ずる。テレビのバラエティでは、その様な実直・まじめな人を笑いものとする風潮が正常なのか疑問に感ずる。だから私はテレビのバラエティ番組は見ない。
[ 更新:2008-12-12 16:57:24 ]