経営コンサルタントの船井幸雄氏が10年前出版の「いますぐ人生をひらこう」(PHP研究所刊)の中で、分かりやすく例えていた。ここに私の主観で要約して紹介する。自分の生き方を見直す読み方も、経営の取組み方にも応用できると思う。
誕生から学生生活を終えるまでの期間は、親・学校・地域社会から教わる期間だから、自動車教習所で学科と実技を教わる期間と言える。社会人となったばかりの時は、仮免許の路上教習期間だ。自分で車を動かしはするが、教官が常に隣にいてチェックされているし、走る道も教官の指示による。正式に運転免許を取得して、やっと自分で好きな所へ行ける資格が与えられる。自分で車を持つと、走る目的地は自分で決めるだろう。これは自分の人生を決めることも同じだ。毎日決まりきった路線の往復では、自立でも自律でもないのではなかろうか。
車の移動可能距離はガソリンの量による。例えると、ガソリンの量は命のエネルギーであり寿命とも言える。未知(未体験)の目的地に行くには地図がいる。地図とは知識+情報だ。目的地に予定時間に着くには、適切な車の操作がいる。ハンドルさばきとアクセルの踏みこみと、ブレーキとの調和だ。
ハンドルさばきは、自分の車が誤った道を選ばぬようにするものである。アクセルは、願望・情熱・行動への意志の力だ。ブレーキは、良心や自然の声に従う意思力、すなわちしてはいけないことはしないという、倫理・道徳に沿った行動を取るように、抑制する力だ。
意思力の弱い人はアクセルを思い切って踏まないから、例え車にパワーがあったとしてもノロノロ運転となる。ガソリンが常に満タンであれば、行きたい場所を楽しく決め、道筋も夢を膨らませて決める。熱意や願望が溢れている状態だ。行動力を引き出す意思の力がないと車は停まったままだし、意思の力が弱いと車は低速でしか走れない。これは今の時代では、高速道路を低速で走ることで危険であり、また周囲にも大きな迷惑をかけていることになる。意思力を高め、行動する力を高めることは重要だ。
*本書は新書タイプ、船井氏の分かりやすい文章だから短時間で読み切れる。一読されると、人それぞれ何かプラスの読後感があると思う。
[ 更新:2008-11-25 11:31:12 ]