私の座右の銘は「水滴石を穿つ」、大学時代に印象に残った言葉で、その後辛抱しなければいけない時にこの言葉と共に生きている。
私の同窓で現在も光って働いている人に共通するのは、大学受験の努力を在学中も似たように続け、卒業後も企業の中で同様の努力をしていることだ。彼らにとっては同じことを普通にしているのだから、特別な努力という意識は全くない。社会に出てからも学び続け、仕事に活かす人が求められているだけで、30年前も20年前も今も同じと私は自分の経験から感じている。
職種によるだろうが、30歳くらいまではまず部品的作業能力が求められる。言われたことを教わりながらできることから始まり、言われたことを前の経験に照らして一人でできるレベル、簡単な指示で気の利いた仕事ができるレベルに上がっていく。その次、40歳に向かい知的な+α(生産力)が求められる。経営管理的要素(コスト管理・利益管理・組織管理に基礎)を盛り込んだ仕事ができることを期待されるわけだ。
私はトヨタの新車セールスと税理士事務所という2つの職場経験だが、希望として会社は人生が充実できる場であって欲しいし、自分の能力はどんどん試して欲しいし、勤務年数によって職務能力が上がって欲しいと願っている。そうありたいとささやかに努力もしてきた。当時は当時として、今となると両方とも大変いい経験で、無駄はなかったと思えるようになった。
個人レベルではその時々の年代で成長したいし、物もお金も欲しいし、若さゆえのレベルの幸福を求めた。今の立場で一層分かることだが、雇用する会社は、業績を上げ利益を生むという目的と、個々の企業の創業以来の歴史と文化によって培われた風土、波長というものがある。これらを同調させる(共通目的を持つ)術を見つけ、働く各世代につなげていける企業が持続的に成長できるし、これが切れると停滞・衰退が始まる。
先輩・上司・管理者は、中小企業だからこそ、自己啓発を怠らず、新しい仕事を自分のものとし、部下や後輩に見本や手本を示し続けて欲しい。個々の社員の力の総和が企業の力だから。
[ 更新:2008-12-07 17:00:57 ]