先週19日、東京で創造経営協会の総会がありました。
記念講演で、財政史研究家の森木亮先生は、現在の日本は財政的に破産していると、数々の資料をもとに危機を訴えて下さいました。
自主自立、開拓者精神が必要と強く感じた次第です。
続く創造経営グループ代表の磯部先生の講演をもとに、北海道で私が関わる企業に参考になるようにと願い、私がまとめなおしたものを紹介します。
もしも参考になるようなところがありましたら記憶にとどめて下さると有難い所です。
天皇皇后両陛下が植樹祭に来られましたが、苫小牧は食肉加工業者の牛ミンチ偽装事件のニュースで全国をにぎわせ、恥じ入っております。
倫理観を持って仕事をしなくてはいけないと改めて思っております。
平成19年6月19日 日本創造経営協会通常総会 磯部代表の講演を参考に
―発展に向けての革新―
創造経営コンサルタント 吉見 一伸
1.何がどう変わろうとしているのか追っていこう
大きく見ると、石油問題・中国問題・水の問題が取りざたされる。世界の主要国のリーダーも次々と交代している。世界一の長寿国という日本では、人口減少社会への不安と年金問題に揺れている。北海道も夕張に象徴される自治体破産問題の流れの中にいる。これらの意味することは、私たちは小さくとも次々と変化をしていかなければいけないということだ。では、どの方向にどのように変化していくとよいのだろうか。自分の関わるところの流れを追えないと、置いてきぼりにされるということを心しよう。自分が当事者となって、関わる人と協力して乗り切るしかないのだ。もう行政は助けてはくれない。
2.変化に適応できる企業とは
創造経営の願いは、長続きする企業をつくること。長続きする企業は、①本業がしっかりしている、②後継ぎがしっかりしているという特徴がある。
(1)まず自分の企業が、ライフサイクルのどの位置にいるかを知ること。現在の位置は、外部環境と内部の経営力のバランスの取れたところにいるものだ。
(2)企業が成長・発展する原動力は、経営者の経営目的の創造というが、それは「経営者が心の底から何をやりたい」ということだ。
(3)事業化をするには、まず中核人材の育成が先行しなければいけない。中核人材の中心になるのが経営後継者である。この人材がいるだろうか。育てられるだろうか。
(4)長続きする企業は、事業の構想が浮かび、事業開発に取り組み、創造する「場」が循環再生産されていく。そこには中核人材(キーパーソン)がいる。ただし、人作りはそう簡単ではない。二代、三代の長期のステージで考えなくてはいけないし、中核人材が育つには、譲る人間たちがギリギリまで我慢をする場面も多々必要となる。生命の通った組織となっていることが必要ということだ。
3.転換の方向
量から質へ、物・金中心から物心均衡へ、競争から共生へ(これまで家庭は贈与の原理で運営されてきたことを思い出して欲しい。)、模倣から創造へと変化させていく時期が来た。日本の世の中は、生産者経済(売り手、造り手主導)から生活者経済(消費者主導)へと変化している。自然豊かな北海道では、日々の生活と自然と経済が調和した歩みをしていきたい。その担い手は人であり、これらの変化をさせるのは人にしかできない。
4.人創りの経営
(1)創業は人創りの始まり
創業期に出会うパートナーとは、「手伝うよ」「一緒にやろう」という言葉と行動に満ち溢れている。たとえ低空飛行であっても事業が安定するまでは、数々の困難克服の歩みである。現れる困難は、お互いのいいところを引き出し、いい所を光らせて乗り越えて来ている。
(2)成長発展と人づくり
長続きする企業になるには、創業期の心を理念とすると良い。経営者は、個々の社員への期待を具体的に明確にしよう。経営計画は、「何をしたい」という思いを表したものである。その経営計画実現には行動力ある人材の確保と育成が伴ってはじめて可能となる。人が育つ職場を作り、仕事を通じて取引先・社会に貢献していきたいのだが、生活習慣のようにならなければ人材育成は継続しないものだ。是非企業生命を担う人を育成していこう。
5.人が育つ職場
取引先との関係も社内の関係も、突き詰めると人間関係である。長続きする企業になるには、職場のリーダークラスの働きが顧客信用を形成するようにしたい。日々の働きを通じ、リーダークラスの人間性と技能(スキル)、コミュニケーション能力のアップする仕組みを作っていこう。長続きする企業になるという目標を持った人材育成をしよう。
[ 更新:2007-06-26 13:10:44 ]