【組織:新人】
あちらこちらで「新入社員」「研修生」などの腕章やネームプレートを付けた初々しい姿を見かけるようになりました。電話でも新人と思われる人が取り次いで下さることもありますね。私の新人というと、今から丁度30年前の札幌トヨペットですが、4月1日の札幌本社での入社式は雪模様だったことが思い出されます。そういえば一ヵ月半、独身寮での生活でした。
*注意:前月もコメントしましたが、文中の企業事例は、社名のないものは事実に創作を加えてのご紹介です。私には守秘義務がありますので100%事実ではありませんことを踏まえてお読みください。
【組織:新人】
あちらこちらで「新入社員」「研修生」などの腕章やネームプレートを付けた初々しい姿を見かけるようになりました。電話でも新人と思われる人が取り次いで下さることもありますね。私の新人というと、今から丁度30年前の札幌トヨペットですが、4月1日の札幌本社での入社式は雪模様だったことが思い出されます。そういえば一ヵ月半、独身寮での生活でした。
あなたの会社の新人さんの様子はいかがですか。5月病というのは、今でも存在するのでしょうか。指導担当の先輩は、何も知らない新人に仕事を教える訳ですから、教える仕事の棚卸の成果はいかがでしょうか。教えることはとても勉強になります。しっかり理解していること、あいまいに覚えていることが、人に教えようとすることで明確になりますから、指導担当の先輩にはいい経験となります。
それから、新人を迎えることで初めて後輩を持つ「昨年までの新人さん」の変化はいかがでしょうか。1年という期間分の先輩としての差があるかどうかが試されますから、結構プレッシャーかもしれません。1年間でどのようなスキルを身に付けたか、新人と自分との差は何かをしっかり見つめる人は、きっと伸びていくでしょう。新人を意識して、例えば時間を守るようになる、レポートの内容が充実する、会議で借りてきた猫から当事者に成長して発言が増えるなどの変化が起きることも珍しくありません。学生の延長線上から、急速に社会人らしくなっていくことでしょう。「新人にいいところを見せよう」というところから始まってもいいでしょう。新人の参加を機に、社員のモチベーションが高まる仕組みを作っていくことをお奨めします。
一般に若い社員の退職理由は「仕事が合わない」「上司と合わない」「社風が合わない」というのがあります。また「仕事や会社は選べても、上司は選べない」という言葉は、年齢に関係なく聞きます。それぞれに理由や言い分はあるでしょうが、企業は社員の定着率を高める工夫が必要です。
【新人へ】
2002年の大卒新入社員の求人倍率は0.99倍であったのが、今週のそれは1.08倍に変化したと新聞記事にありました。それがどのような違いかは、私はあまり実感がありませんが、企業のスタンスは、中小企業であってもバブル期と大きく変わっています。社内の仕組みを変え、収益力を持続的に高めようとしています。当然競争に強い人材を求めています。その一方法令順守のように、高い倫理観も求めています。良し悪しはあるものの、成果主義の考え方も強く浸透してきています。ですから、新入社員であっても、いつまでものんびりしていられる訳ではありません。経営コンサルタントとして中小企業に関わり感ずることは、この5年間で、仕事が非常に速いスピードで高度化、専門化してきているということです。私の30年の職業経験から、次のことを伝えたいと思います。
(1)すべて必要な経験と受け止めよう
私の会計事務所勤務時代の後半、満1年勤務し「先輩を簡単に追い抜けそうもないので辞めます」と正月休み明けに申し出た人がいました。会計事務所も専門職ですから、40歳代の働き盛りの人を、20歳代の若者に簡単追いつかれては大変なことなのですが、その理屈が通じないことがありました。彼はその後東京方面で再就職したらしいとのことです。
また、事務所の重鎮が採用面接で「今時珍しいくらいの好青年だ」と、1年務めた販売員から会計事務所に転職希望の若者がいました。専門職の場合、一定レベル以上の記憶力がなければ仕事のベースができないので、履歴を見て私は採用に反対しましたが、力のない過去のことですから当然受入れられず、その青年を採用しました。1年たって育成ができず、私に育成係の役目が回ってきました。人間性はいいのだけれども、論理的に記憶を積み重ねることができず、会計はそれなりでも税務判断が不安定で、結局事務所で働き続けることはできませんでした。彼のその後は分かりません。同じくらいの職歴の人が連絡を取ろうとしても、取れなかったと聞きました。
これを書きながら、役職をいただき、育成の理想と現実に悩んだ日々が思い出されますが、私としては貴重な経験をさせてもらいました。私自身トヨタの新車セールスマンを4年、会計事務所に転職し簿記の3級から始め、何度も税理士試験に失敗、その傍ら税務申告業務を学び、創造経営コンサルタント資格を取得、19年勤務して独立、開業後の浮沈を経験して今に至っています。不必要な経験、無駄な経験はないものと、最近やっと素直に思えるようになりました。これらのことから、今目の前で起きていることに、しっかり向き合うことをすすめます。
(2)夢と希望
私自身悲観的に物事をとらえがちですので、私自身の反省と戒めから少し書きます。入社時や転職時点では、「さあやるぞ!がんばるぞ!」と意欲・情熱・夢をたくさん持って職場に出勤した記憶があります。しかし実際に仕事を始めると、現実はやはり厳しいものです。算盤や電卓の計算速度は年下の女性に全くかないませんし、職場の実態を知り、縦社会の人間関係を肌で感じ、無責任で理不尽な指示命令のもとで働くこともありました。若い時は一喜一憂していました。トヨペット勤務時代は定期的に上司が変わりますし、経営者層は遠い距離でしたが、20人規模の会計事務所では、先輩・上司は定年までほぼ固定、経営者である所長先生の存在はすぐそばで、その言動は絶対的なものがありました。このような経験は多くの方が、多かれ少なかれされていると思います。だからこそ、「若い時から自分にとって働くことの意味を問い、50年という長い職業生活を通じ、どのような自分を確立していくのか、しっかり夢や希望や志を持ち続けて下さい」ということをお願いします。お客様企業を拝見し、経営者と一緒に仕事をし、つくづく感ずることは、「自分の使命に早く気づき、夢や希望や志を早い時期から具体的にできた人たちが、スピーディーに能力開発と現実の成果を手に入れている」ということです。夢と希望のない人に、成功はなかなか訪れません。部下育成を担当し、悲しかった思い出は、「僕の辞書に努力と根性はありません!」と開き直られたことです。そう言った彼ももう40歳台半ば、今どのような働きぶりを見せているのでしょうか。
【人間関係:お詫び】
仕事の場では、取引先からのクレームに対し謝罪が必要になる時があります。私自身、社内外を問わず対応を間違えてこじれた経験が何度もありますから、上手に謝り、スムーズに人間関係を修復する人を見ると、謝り下手の私は羨ましくなります。上手に謝り、好感度を高め、相手との関係を前よりも一層強くできると、ピンチがチャンスとなります。
経営改善や組織改善の場でも大切なことは、逃げないことです。言い逃れや言い訳という弁解の前に、相手の意見をすべて聴き、受け止め、受け入れることです。相手の話をしっかり聴く(積極的傾聴といいます)のは大変ですが、そこにたくさんのヒント(問題解決の糸口)が含まれているものです。それに誠意を尽くすと、気持ちは伝わっていくことが多いものです。
話し方研究所(東京・文京)の福田健会長は『日本人は謝罪の技術が乏しい。うまく身に付ければ失敗を恐れず仕事に取り組める』と話し、『謝罪の3ステップ』を勧めています。「まず自分の非を認めるのが第一段階。間違いやミスを指摘されると、人は『自分のせいではない』『自分は悪くない』と自己弁護に走りがち。自分が間違っていると認めるのは勇気がいるが、それが謝罪に進む第一歩だ。二番目は実際に謝る段階。大切なことは常に先手で謝ること。例えば、前日に部下を強く叱り過ぎて悪かったと思ったら、翌朝すぐに『昨日は悪かった』と謝る。時期を逸した謝罪は誠意まで疑われてしまう。『先に謝れば心理的に優位に立てるし、相手への好感度も高まる』(福田さん)最後に間違いを反省して再発を防ぐ。いくら詫びても、同じミスを繰返していては信頼は得られない。」(日本経済新聞2007.4.14 BUISINES BASICSより)
【今年の新人:日本経済新聞2007.04.11.26面より】
財団法人社会経済生産性本部(東京・渋谷)が昨年12月に2006年春に入社した新入社員を対象にした調査では、「能力主義的な給与体系を希望する」と答えた人は62%だったそうです。過半数を超えているものの、この結果は1991年の調査以来、過去最低の水準となったとのことです。1995年の結果と比較しても15ポイント低下しているようです。なぜでしょう。安定志向の表れでしょうか。私自身は、強すぎる能力主義的な給与体系は希望しませんが、小さいながら事務所経営という立場からは、結果として成果の範囲でしか労働分配はできないという現実の中で、独立以来仕事をしています。
同調査で「条件の良い会社があればさっさと移る方が得」と答えた人は37%で、こちらも過去最低の水準だったそうです(ちなみに最高値は1999年の53%とのこと)。「今の会社に一生勤めようと思っている」という回答は29%と最高に達し、最低値を出した1998年の2倍となっているとの記事でした。増えたと言っても30%未満ですね。あなたの会社での実感はいかがですか。
新聞や雑誌記事を見ていると、若い人は「自分のやりたい仕事ができる」と思っており、「給料や福利厚生などの待遇は良くて当たり前」、「雇用が安定していることを望む」と言う姿が浮かび上がります。転職がうまくいかない先輩を間近に見て、入るのも転職するのも難しいならば、まず安定を確保するという心理が働くと解説しています。これらのハードルをクリアしなければ、企業は採用したくとも若者に見向きもされない可能性があることがうかがえます。
仕事や働く環境は、最初は与えられるものですが、どこかのキャリアで一緒に創り上げるようになり、ある一定年齢以上では与える側になっていくことが望まれます。そう言いつつ組織改善に取組む現実の場では、50歳を過ぎても「与えてくれない族」が多数いる企業もあり、彼らをどう変化させられるか、実に悩ましいところです。若手と違った難しさがあります。
【組織:困った上司(日本経済新聞2007.4.7 BUISINES BASICSより)】
次のタイプの上司と組んだことはありませんか。自分自身を振返って見ても、私の思いと上司や部下の受止め方はいつも一致してはいないとは思いますが、「こんな上司は○○さんだった」と思い出しながら記事を読みました。ところで私はどう思われていたのか、ふと気になります。
①過干渉型上司:朝一番に出社し、夜は最後まで。部下の仕事に口を挟まずにいられないタイプ。当然仕事が終わっても帰りづらい空気が漂う。
②赤ちゃん上司:指示どおりにしたのに「そんなことは言っていない、聞いていない、そこまで任せていない」と怒り出すタイプ。「はいはい」と受容すれば機嫌が良くなると書いてあったが、そう単純でもないような・・・
③ぼんやり上司:仕事は頼みやすい部下に丸投げ、統率力がないのでトラブルが起きても頼りにならないタイプ。
④流行上司:エコだ、ハマスだと感化されやすいタイプ。他にもっと重要なことがあるだろうに…
⑤だるまさん上司:知識不足で手も足も出ないタイプ。IT化が進み、部下の方が専門性が豊かで上司をリードする場面が増える。
⑥思いつき上司:「僕いいこと思いついちゃった」と助言してくれるものの、内容がピント外れ。「上の意見は尊重しなければ」と従ううちに仕事が迷走する。
*人のふり見て、わがふりを直しましょう! 人によっては、上司のタイプ別対応方法が必要かもしれませんね。
[ 更新:2007-05-02 14:23:03 ]