中小企業は得意分野に特化そして、効率経営・絞り込み経営

1月31日の日本経済新聞にはホンダの2009年3月期の純利益の予想が掲載されていた(最近の発表数値は以下のものと変わっていると思うので注意されたい)。純利益は前期比△87%ではあるが800億円の黒字見込みとある(参考として売上高は△16%の10兆1千億円の見込みとあった)。

アジアでの2輪市場が好調で、今期の営業利益の半分程度をこの2輪が稼ぐそうだ。前期は1割強に過ぎなかったというから、今期は2輪の存在が有難いだろう。そういえば、昨年夏くらいに自動車用品も扱う方と話をした時に、「過去のオイルショックの時には自転車と2輪車(オートバイ)が売れたというけれど、今後の商品戦略の参考になりませんかね?」と私が質問した時、その人はすぐ話題を変えてしまった。
 ホンダの特徴は、ご存知の通り@低燃費小型車への特化、A効率経営・絞り込み経営(車種はトヨタの約70種に対しホンダは半分の35くらいという)。この姿勢は、ランチェスター2番手戦略、弱者の戦略として中小企業も取り入れていいと思う。なぜなら、中小企業は手を広げすぎると、効率は悪くなりで効果はでにくくなる。中小企業は効率と効果が実感できることに集中するのがいい。
自社がこだわるもの、小さいがきらりと光るもの、自社が取引先に評価されている強みを明確にして、(前回の事務所通信にも書いたが)無駄の徹底排除でコスト削減を続け、合理化を常に工夫し、次の攻め手(売り物)を見出そう。

★信用・信頼
 同じ日の同新聞の記事に、日本たばこ産業が冷凍食品でJTブランドを廃止するとあった。中国製冷凍ギョーザ事件からもう1年が経つが、深刻な販売不振が続き、ブランド維持が困難と判断したという。2007年度には300億円強あった売上高が、2008年度には4割前後も減る見込みというから本当に激減である。関わる人との信用・信頼構築と維持は、企業規模に関係なく今期も引き続き経営の重要なキーワードとなる。

[ 2009-03-04 16:46:49 ]


その他の記事

記事のインデックスに戻る