創造経営コンサルタント吉見 - head

経営コンサルタント吉見からのお知らせ

合理的な意思決定か道徳的な意思決定か?

いろいろ工夫し、頑張っているが売上の落ち込みが止まらない→節約やコストダウンも行っているが経常利益は減り続けている

そして視野に入るのは「赤字転落」→これが続くと株主への配当ができなくなる→まず率先して役員報酬を減額する→これで足りない分(黒字にならない金額)は、従業員の賞与の減額、北海道では燃料手当の減額支給、定期昇給の停止→これでもまだ足りない分(黒字にならない金額)は、アルバイト・パートの解雇から始め、次に正社員から退職者を募る、という流れになって行くでしょう。
このような状態になると、「経営者は、赤字だろうが何だろうが、借金をしてでも、社員の給与や賞与を保証すべきだ」という社員が出てきます。でも、倒産すると社員の給与や賞与の保証どころではなくなります。
どこに価値基準を置くのかにもよるでしょうが、資本主義社会の競争原理の中で商売をする以上、例示したようなマイナスの悪循環に陥り、業績回復の道が見えぬ流れでは、雇用調整(リストラ)も、経営側の「会社を存続させると」いう立場では合理的な対応策の一つとなります。
表現を変えると、10%の人員削減をし、残った90%の人員の給与を維持する道を選ぶのか、一律10%の給与カットを行って全社員の雇用を維持する道を選ぶのも、経営上は合理的な経営政策の意思決定の一つとなります。
中小企業は情緒面が強く出る経営となりがちですが、経営とは株主や銀行から資金提供を受けて(自己資本と他人資本)配当や利払いを約束し、ステークホルダー(得意先・仕入先・労働者・納税等々)への適切な分配も行い、最終利益(内部留保)を積み増して永く持続できるものです。
この経営のルールを、経営者が強く意識して社員に明示し、ステークホルダーとの適切な利害調整を会社の毎期の達成目標とすることが経営者の責務です。実際に達成するから企業は存続できるというのは、資本主義社会の現実そのものです。
教科書的な説明かもしれませんが、経営者と幹部はこの責務を果たすことが自分の役割であると再確認しましょう。

[ 更新:2016-12-16 07:14:34 ]

その他の記事
記事のインデックスに戻る
ページのトップへ
創造経営コンサルタント吉見 - foot