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戒能通孝著 「法律入門」 岩波新書 を読み直して

これは昭和30年2月に第1刷発行 私は昭和48年の第26刷を購入

この本が出版されたときは私は生後三ヶ月半。この本は、私が大学2年生の頃買ったのだと思います。
今回読み返して、今でも通じる指摘事項が満載です。

私が今も変わっていないのかも、と思ったのは次のような記述です。

・強力なマス・コンムニケーションの下で起こりつつあるものは、かくして大衆心理の統一過程である。
・「法の支配」は、厳密にいえば、国民が政治に真剣な関心を持ち、自己のために法を獲得する熱烈な情熱をもってこそ初めて意味ありといえるだろうが、実際はその反対に、国民が自己を支配する法について知ろうとしないから、却って穏やかにいっているのである。
・議員が「全体の奉仕者」であることは、ほとんど不可能な話である。いわんや院外の経済団体その他のものが、自己の特殊利益を実現するために、議員と交渉する専門家をかかえ、議員ないし政党をして特殊利益のための法律案・予算案等を支持させる活動を大げさに実行する状態が発生すれば、議会は結局特殊利益の取引の取合いをする場所になり・・・
・官僚は国費によって資本家的法律案を作成し、かつ出来上がった法律は、必ず資本家のために有利に適用されている。検察官・警察官の個人的良心などは、ほとんど問題にせられていない。彼らは巨大な機械の中で動いている歯車の一つにほかならない。
・教育の目的は資本に忠実な人間の養成だった。
・生産手段の私有とは何か。それは資本主義を守る政党に献金し、ロビイングを行い、圧力を加える経済的基礎である。
・かくして憲法およびその下に成立する諸法規もしくはその適用状態は、その時の政治状態の所産である。
・人権が法律の文字から社会に血肉に変わっていけば、人間は少しでも向上する。
・米政府はアメリカ人に対しては責任を負担しているが、日本人に対しては責任を負担していない。
・あなたは政治を忘れている。しかし、政治はあなたを忘れない。

この本が書かれてから65年もの年月が経ったが、我国の統治機構と国民の法意識は大きく変化をしていないのかもしれない。

[ 更新:2021-07-01 11:14:28 ]

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