2017.5.28 日本経済新聞 文化欄に掲載
「文化とは、文が姿を変えたもの」
普通は文化というと世の中が開けて生活水準が高まることと思うのだけど、人の精神活動として文(ふみ)よして書きしるしたものが、生活様式になって行くという解釈は初めて知りました。
「手紙とは、自己の心に向き合い、それによって他人の心へと向かうもの」
創造経営の組織心理テスト(KD-Ⅰ)には「手紙」という設問があります。
最近はハガキを含めて、直筆の手紙を書く頻度はとても少なくなっていることでしょう。
創造経営での私の学びですが、手紙を書くには相手のことを思い浮かべないと書けない。季節の挨拶にしても、現在の周りの自然のありさまに目がいかないと、今の季節を表せない。相手を本気で思いやらないと、表面的な内容の手紙しか書けない。
だからこそ、心を込めて手紙を書きなさい、という指導を受けたことを思い出します。
「何ごとも中心があり、周囲があり、辺縁がある」
組織での中心とは、ただ単に真ん中という意味ではなく、全てが集まる場所であり、そこを起点に出ていき広がっていくところと教わりました。まさにトップの立ち位置です。
トップの周りにどのような人が居て、どのようにトップとかかっわるか、それを辺縁の人が見つめ、自分たちの変わり方を決めているのでしょうね。
「書かない文化は、書くことなどどうでもいい文化へと落ちていく」
書くからには目的があり、記憶され、記録として残る行為です。書かないことは記憶の風化も早いし、記録としても残りません。
意図的に書かないことは、なかったことにしたい心理の表れん青かもしれません。
[ 更新:2020-10-26 14:51:43 ]