北杜夫著「幽霊」に次のような表現があった。
引用開始>
子供が小さな大人でないように、幼児も小さな子供ではないのだ。
幼年期というのは、ただ育つこと、大きくなることが目的なのだと。
それならば、彼等が自らの成長にとって妨げとなるすべての体験、あらゆる記憶を、体内のどこかに隠してしまうようなことだってあるかもしれない。
こうしてひとりひとりの人間は、目に見えぬ影を背負うようになる。
すなわちそれが<無意識界>なのだ。
<引用終了
北杜夫さんは個人的に好きな作家で、高校時代から始まり、大学時代そして社会人となった頃、次々と本を買い求めて読んだものです。純文学とエッセイの文章表現の大きな違いも、個人的には魅力でした。
私たちは「体内のどこかに隠してしまう」ことをたくさん持っているのではないでしょうか。
他人には解らない「目に見えぬ影を背負う」人を観ていかないと、部下の成長支援はかみ合わなくなっていくように思います。
無意識の影響は、本当に大きいと思う今年一年です。
[ 更新:2019-11-23 13:56:36 ]