城山三郎さんとのインタビュー記事から(昭和50年11月「選択」掲載とか)
出光佐三さんは遠い人のように感じるのですが、次のようなことを話しておられます。
・日本の歴史を見ても世界の歴史を見ても、楽に行けると思うことが間違い。
・人間はわがまま。わがままをやるのが人間であると考えておれば、うまくいくのではないですか。
→こう言い切られると、さっぱりしますし、納得できますね。
・社員をとがめたり(非難)すると作り事をするようになる。そうすると人間として、表裏ができる。
→とがめたり(非難)されなくとも、表裏のある人っていませんか?
・人間の力が日本にはある。外国人は対立、闘争はするけれども、日本人は大体において和をもって尊しとする和の力を持っている。もう一つ、日本人には道徳の力がある。外国人のモラル(倫理)というのは合法的順法精神でしょう。道徳とはモラルではない。人間の真心から自然に湧き出てくるのが道徳で、外国にはないものです。
→日本人の人間の力、道徳観は、出光佐三さんの時代の人と、今の現役世代では随分変わってきているように感じます。
・口で人を攻撃するのは楽だけれども、いざやらしてみると何がやれますかね。
→これは実感することが多いです。
赤字が止まらない部門責任者に「赤字の理由も充分聞いた。年初の今年の取組の可能性も何度も聞いた。もうこういうやり取りを三年も繰り返しているじゃないか。早く赤字を止めて欲しいだけ。いい加減に可能性よりも、いったい何ができるのか? そこをハッキリさせて欲しい!」と言ったことを思い出します。
参考文献: 城山三郎著 「ビジネスエリートの条件」 講談社刊
[ 更新:2019-07-17 08:51:30 ]