個人主義と全体主義がありますね
仕事の場面では、個人を尊重すべき時もあるし、帰属する組織を優先しなければならぬ時だってあります。その時々の適切な使い分けが問われます。
個人主義は個人を尊重する考え方ですから、個人の独立や自由に最高の価値を置こうとするもの。
そうは言っても立場や場面を考えずに、自分のためだけに考えて行動したりするのでは、利己主義となってしまいます。
空気が読めない人と言われるのでしょうね・・・
法哲学の学者先生は、「尊重されるのは個人の意思か? それとも個人の利益か?」と問いかけます。さすが学者先生ですね。
個人の意思を徹底して尊重すると、自由放任主義となり、自己責任や自業自得という個人責任主義につながるんですね。
個人の利益を徹底して尊重する場合でも、その個人の利益を判断するのはあくまでも個人なのか、第三者が公共の観点も含めて尊重すべき個人の利益を判断するのか?
第三者が判断するとなると、個人への干渉主義や、個人の利益が慈恵的に統治者から与えられるものとなってしまいます。
ややこしくなりますね。
こういう理屈を考えて働くことは滅多にないと思いますが、法の世界はこのような裏側があるんですね。
雇用関係は支配関係ではありませんが、指示命令に服さない場合(反する場合もあるでしょう)は会社はどうするか? その人はどうなるか?
この点は実務では大事と思うのですが・・・
(参考:長尾龍一「遠景の法学」)
[ 更新:2018-08-26 08:15:22 ]