助言とは、傍から言葉を添えて助けてくれること。アドバイスと言った方が、今は伝わりやすいのかもしれない。
過去を振り返ると、私は多くの人から随分たくさんの助言を受けたことと思う。
今から考えると、余計なこととか、大きなお世話と反発したこともたくさんあったが、やっと今になって「頭が下がるほど有難いことがあった」と感じ、尊い助言であったと思い出すことがある。
親身になって言ってくれた助言を、当時の若く愚かな私は真剣になって聞かなかった。
時にはちょっとは実行してみたものもあるが、「言われたように1回やったからいいでしょう」と長く続けようと本気で取り組まなかった。穴があったら入りたい、とはまさにこのことと思う。
評論家・小林秀雄氏は次のように著書に書かれたそうだ。
「どんな助言も人に強ひる権利はない。 助言を実行するしないは聞く人の勝手だ。
それよりも先づ大事なことは、助言といふものは決して説明ではない、分析ではない、いつも実行を勧誘してゐるものだと覚悟して聞くことだ。
親身になって話しかけてみるとき、親身になって聞く人が少い。これがあらゆる名助言の常に出会ふ悲劇なのだ」
耳が痛い言葉だ。
すっかり遅くなってしまったが、今からでも「過去に親身になって投げかけて下さった助言」を、私が実行することを勧誘されたものとして試してみよう。
[ 更新:2017-07-20 11:37:04 ]