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偉くなりたくない子どもたち

2010年6月28日月曜日の日経新聞25面【教育】財団法人日本青少年研究所の意識調査の結果から理事長の千石保さんがまとめた記事になっていた。

高校生の意欲に関する調査 (2007年4月調査)の結果では、「偉くなりたいですか?」の問いに、「偉くなりたい」と答えたのが最も多いのが中国。34.4%。日本はそう思うと答えたのがほんのわずかで8.0%。日本と中国の若者の意識の差は、確実に10年後の各々の国力を大きく変えることとなるだろう。
おもしろいのは「将来就きたい職業は?」に対し、日本の高校生は『営業・販売・サービス業』、中国は『会社・企業の経営、管理職・『公務員』・『法律家』、アメリカは『医師』『デザイナー』『スポーツ選手』、韓国『小中高校の教師』『会社・企業の経営、管理職』『デザイナー」となっている。日本の高校生はずいぶん夢がないというか、高校生は仕事に夢を持てなくなっているのだろうか。
千石氏は、「日本は1980年代の大量生産。大量消費社会に入り、リーダーであることより他人との差異、つまりアイデンティティーを求める世の中になった。無理に偉くならずとも、普通に生きていくことに支障がない。むしろ平凡がいい社会になった。」とまとめるが、調査結果に、「偉くなりたくない」「偉くなると責任ばかり多くなって損をする」「リーダーになりたくない」「何の責任もなく楽しくやれれば一番良い」という結果をみるとそう判断するしかないのだろう。
「暮らしていける収入があればのんびりと暮していきたい」という考えに「とてもそう思う」と答えた高校生は、米国13.8%、中国17.8%、韓国21.6%に対し日本は42.9%というから驚く。仙石氏は続ける。「他人の親切や、互いに助け合う必要の希薄な時代は、必然的に子供たちの人間関係を希薄化させる。人と人との助け合いはお節介になる。こうして一歩距離を置いた希薄な人間関係が、互いに傷つかない最善の他者関係となっていった。大人の徳育教育をいくら叫んでも、それは昔の時代の話。(中略)もう頑張らなくとも大学生になれる。これが若者たちに不勉強を招いた大きな原因だろう。」
確かに最近の教育関係の識者と言われる人は「今の若者は、バブル崩壊後の失われた10年、20年の中で育ってきています。みなさんが20代だったころとは状況が違うのです。」だから、そんな若者たちに、昔の自分たちの目標を重ねても通じないし、「今の若者は、むしろチームを大切にしたがっています。個人でバリバリやっていたのはバブル期の、今から20年前の若者です。」と言う。確かに次の時代は若者が作るのだが、これで本当にいいのだろうか…

[ 更新:2010-08-02 09:37:39 ]

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