創造経営コンサルタント吉見 - head

経営コンサルタント吉見からのお知らせ

札幌市中小企業振興条例と中小企業支援の取組

去る11月11日、中小企業家同友会の会合で札幌市経済局の方たちの上記テーマでのお話があった。ここでは、過去の行政施策であった中小企業への補助金の恩恵的給付やお上の経営指導姿勢を改め、中小企業の実態にのっとった支援をするスタンスに転換するものとの説明だった。以下の記載内容は私が主観的に意訳していることを申し述べる。

 札幌市が中小企業に求める努力として、(1)経営が好転するように自助努力をせよ、(2)社会的責任の自覚と地域の調和と貢献に努めること、を掲げていた。札幌市民に対しても中小企業の必要性を真に理解し、中小企業が健全な発達ができるように、中小企業から地元商品の購入や地域商店街の行事参加への協力を示している。
 北海道の中長期予測としては、人口減に高齢化、公共投資の削減、地方交付税の削減などのマイナス要素が非常に強く、札幌市としては(1)地産地消による道内経済循環の拡大、(2)道外との取引を積極的に増やす、(3)行政に頼らない自立した民間経済実現に向けて努力するという。この方向は、私の利益を生み出し続ける関与先が10年前から取り組んでいることそのものだ。だから私はこれまでの道を迷わずにしっかり歩むと良いと感じた。

具体策として、私が中小企業に実効性があると思われるものとして次にピックアップしてみる。
①ネットの活用・・・対面販売の良さはあるが、道外との取引を積極的に増やすにはネットの活用は欠かせない。私の関わりでは、30歳代のネット担当スタッフやボランティアスタッフがいる企業が予想外の成果を生んでいる。ただし担当者一人に任せきっているところ、放任のところは片手間仕事となり、ネットでの売上の伸びがない。
②スィーツ王国札幌事業・・・北海道の食材に対する信頼度や評価は本州では非常に高い。小売形態でマスマーケットの大量消費を狙えない中小企業は、小さくて、軽くて、高いもので顧客ニーズに合致するものを見出すか生み出すと高付加価値が得られやすい。スィーツ類は、日常消費と接客消費の両方が見込めるし、ネット販売とも馴染みやすい。課題は認知度を高める(知ってもらう、良さを分かってもらえる)ための媒介の使い方、活かし方にあると感じる。新聞・テレビ・週刊誌・雑誌・フリーペーパーなどで取り扱われる頻度が増してから急成長した知人もいる。この人脈を見つけ、積極的に活かせるといい。
③札幌スタイル・・・私は苦手だがデザイン力の魅力と効果はとても大きくなっている。プレゼンテーションでも見せ方(魅せ方)の差別化がハウツーとして随分取り上げられている。広告・看板・ロゴ・名刺・会社案内等々魅力的なデザインのイメージ力は大。
④循環型経済・・・3つのRとかエコとか言われるが、省資源・廃棄物減かつ環境と人に優しいものを扱う関与先は、年々取引量が増えている。自社のどのように取り込むことができるか、アピールできるかが個々の課題となるだろう。
⑤最後に融資・・・札幌市では「元気がんばれ資金」と名づけ中小企業融資制度の拡充を説明されていた。「緊急避難的にスムーズに融資を受けられて助かっているので推薦する」という意見の一方、「試算表を見せると簡単には話が進まない」という声もあった。札幌市に限定せず、使おうとする資金によっては信用保証協会100%保障のものもあり、金融機関が20%負担するケースよりも貸し付けが積極的で、それをスピーディに活用された関与先もあり、現実は様々である。
 いつも言っていることだが、金融機関が貸したくなる決算書となるように、必ず借りたものは返せる力を企業につけさせるのが経営者の責務だ。その実現に経営コンサルタントとして私も一緒に奮闘している。

[ 更新:2008-11-20 08:15:55 ]

その他の記事
記事のインデックスに戻る
ページのトップへ
創造経営コンサルタント吉見 - foot