創造経営コンサルタント吉見 - head

経営コンサルタント吉見からのお知らせ

【平成18年の取り組み=キーワード】


(1)自分のため、家族のため、会社の上司・同僚・部下ため、取引先のため、地域社会のために自ら関わり、貢献していこう。
(2)環境・安全・品質・原価の4点で、昨年を上回る成果を生み出そう。
(3)家庭でも会社でも、ムダ・ムリ・ムラを排除しよう。
(4)そのためには、まず自分から変わっていこう(自己変革と自己成長)。
(5)すぐやる、決めたら必ずやる(約束は守る)、出来るまでやる!

【コスト削減=値引要請】
 私の関わる企業の多くが、取引先から値引(値下げ)要請を受けています。当然私もその渦中に入ってしまいます。「コスト削減」自体は否定する何ものもありません。コスト削減努力もある意味得意先への貢献の形態の一つですから、喜ばれることは間違いありません。納得がいかないことは、「この価格にできないなら他にするよ。」「取引先はお宅だけではないよ。」と、金銭のみの取引がまかり通ることです。競争と協力の関係について深く考えなくてはいけません。双方の利益を最大限に引き出すことができるパートナーと、仕事の関わりを大事に続けていきたいものです。確かに利害は対立するのですが、バランスは取る必要があります。創造経営では、かつての日本人が持ち合わせていた「他者との共生を良しとするしなやかな生き方」を企業経営の場でも実践していくことを提唱しています。
 製造業の場合、成長の原動力は技術力であり良きモノ造りです。働く人が職人技を磨き続け、製造業の重点管理ポイントである品質・原価・コスト・納期管理の4つにこだわり続け、マーケット・イン(顧客満足)の視点を持ち続けるなら、価格競争を抜け出すヒントが見つけられるのではないでしょうか。「他者を思いやる心が道を照らす」と信じていきたいのです。

【事業割合~時間割合】
 自社の業務の内、7割を中核事業(安定収入の部門=飯の種)、2割を周辺(自社の強みを関連、付帯サービス等で生かす)事業、1割を新規事業というバランスが中小企業には丁度よい目安と思います。この割合を、社員の個別担当あるいは個々人の担当時間割合など数値で示すと、どのようなバランスで貢献するとよいのかが分かり易くなります。特に中核事業とは、自分の会社が何で稼いでいるのか、他社との競争力の源泉です。これが曖昧ですと黒字が維持できません。
 自己啓発も大事です。自分の年間労働時間の10~20%に相当する時間を、個人の研究開発(勉強)に当てるなら、仕事の質は年々アップします。仮に年間2000時間を労働時間とするなら、200~400時間ですね。多く感じるかもしれませんが、月に換算すると16~33時間です。毎日1時間、週休二日制度・祝祭日お休みの場合はその休みの内半日から1日の時間を自分に投資することです。目的意識を持って、新聞やビジネス誌、ニュースを見ることでも気づきは違ってきます。自分に力がついてくると会社では上司も部下もお客様も喜んでくれるはずです。是非やりましょう。
トップが特に新事業に何らかの関わりをもつことも重要です。何故なら、中小企業の場合、トップに情報が集中しており、たとえ幹部であってもトップの半分程度の情報しか流れていかない現実があります。トップの所で取捨選択された情報が、幹部そして社員へと降りていきます。ですからコミュミケーションの場がなければ、その場を活かさなければ、トップが取捨選択された理由、その結果おろされた情報の重要性は伝わりません。昨年の業務では、優秀なトップがいながら、素直な社員さんたちの力を引き出せない企業がありました。実にもったいないことです。個人レベルは良い資質を持っているのですが、組織力になっていませんでした。
 社長が社員と正面から向き合い、社員が納得できるレベルでの表現方法を習得され、社員の声を聴く姿勢を取られるだけで随分変わるだろうな、と感じつつ診断報告書を書かせていただきました。コストのかからぬ改善でありながら、社員の知恵と努力を引き出せるなら、後戻りしない改善の定着です。皆さんのところも、コミュニケーションが取れないという悩みはないでしょうか。少々の工夫と、相互の歩み寄りでかなり良い方向に変わります。信頼してやってみましょう!

【合理と非合理】
 今年度の経営計画を計数化し達成のための戦術・方針を練り、定量化された事業目標を必ず達成するという意志の力は重要です。予算が毎年達成できない企業、赤字にすぐ転落する企業を見ていると、社長をはじめ幹部層(部長・課長さんクラス)に予算を必ず達成する、必ず赤字を黒字にするという意欲・気迫・執念に欠けています。自分たちが関わり作成した予算や行動計画ですが、実行段階では何故か人ごとで、予算未達成の現実を会議の場で反省するでもなく、仕方がないという空気が支配的です。「一生懸命考え、予算化し、行動計画まで吟味し、その通り実行できず、赤字となるなら、私のコンサルタントとしての関わりは失敗であり、また企業側も経営能力、競争力の両面で存在価値に乏しいということ素直に認め、会社整理に入りましょう!」と薦めた企業もあるのですが、廃業の決断も出来ない会社もありました。赤字が止まらないということは借入金なり未払い金が増えることですから、得意先・取引先・金融機関・社員・お金を貸してくださった親戚や友人等々に迷惑を積み増すことになるのですが・・・
 中小企業であっても経営を続けていく以上、合理的な課題解決の型をもつ必要があります。私の行うコンサルタント業務にも、この型の立案・提案や導入支援があります。加えて人の集まりである企業は、小人数だからこそ「他社に負けて悔しい」とか「目標が達成できなくて恥ずかしい」というような非合理な感情を経営に取り込む必用があると考えます。こうした感情をバネとして活かすのです。

★日産自動車社長兼CEO カルロス・ゴーン氏★
(1)日本人は複雑さを疑問視することが多いから、シンプルな形で実行する意識を定着させ、実行の質とスピードを追及する。これは組織の強みである。
(2)プロセスを重視する。
(3)ある一つの強みを他の領域でも生かそうとする考え方をする(応用する力)。
(4)日本には規律、プロセス、顧客志向、即応性を重視する文化の強みがある。だから強い会社には、更に強い家族的絆や力強いリーダーシップがある。
(5)現実を直視し、状況の変化に応じられる柔軟性、共感能力の開発が必要。
    (日本経済新聞2005.11.22.7面より抜粋)

【トップのコミュニケーション】
 私が関わる企業のほぼすべてに共通する課題が、コミュニケーションが不十分という点と社員意識改革が進まないという点です。繰り返し述べていることですが、トップには「伝える努力を行っているか、そして継続しているか」を反省してみてください、とお願いします。管理者には「トップの声を聴く努力をしているか、聞いたことを実行しようとしているか、振り返ってみてくださいと」お願いします。そうすると、言葉に出し、伝えようとする努力と、しっかり聴き、受け止めようとする努力のバランスの悪さが浮かび上がります。時にはコミュニケーションの手法が理解されていないケースもあります。年齢、キャリア、階層が異なれば意見が合わないのはある意味普通です。意思(目的)を持って、異なるものを融合させるための「場」創りと、「言葉での発言」と「聴く」ことの一連のシステムがコミュニケーションではないでしょうか。
 単なる「改善」レベルであるなら、ボトムアップが有効なことが多いでしょう。しかし、トップが「改革」をしようとするなら、トップダウンと管理者層及び担当者へのダイレクトコミュニケーションが欠かせません。その時に、常にお客様の方を顔が向いていないといけません。
 過去と現在を結んだ延長線上に未来があり、それを是とするならば、現状を変えることなく進むことでいいでしょう。しかし「改革」をしようとするなら、どのような「未来」となるかをしっかり予測し、わが社の将来をどのようにするかをビジュアルに考えて、その実現のために現在はどうあらねばならないか、という考え方を取らなければいけません。お客様の立場で将来を考え、そこから現在を考え直すと気づけるものがあるはずです。

【ライフサイクル】
 「会社は夢からスタートし、情熱で大きくなり、責任感で安定し、官僚化で衰退する」と表現したのは、エルピーダメモリ社長兼CEOの坂本幸雄氏です。企業の業績は、経済情勢の影響を受け、好調と不調を循環的に繰り返すものです。ですから好調のときに弱い所を補強する努力、不調のときに将来の成長のための投資(種まき)をガマンして続けられるかが問われます。昨年関わった企業は、この傾向が強くありました。既にトップがいろいろ学び、社内で様々な実践をされていますので、コンサルタントとしては改善提案要素が限られ、問題のレベルが高く即効性のある提案が出来ないという難しさを味わった企業もありました。まだまだ修行が足りません。

【考えて、考えて・・・】
 創造経営で教わったことに「何故を5回繰り返しなさい」「考えて考えて考え抜くことです」があります。徹底的に考えるということは、単に考えるのではなく「考え抜く」ことであると教えられました。人が学び習得していくには(1)見る、聞く、教わる、読む等々の作業を通じ、我流ではない知識を習得し、(2)自分が使えるように、自分自身の中に取り込むために「自分の頭で考える」ことが必要であり、加えて人間は経験する動物ですから、(3)実際に行動(話す、書く、真似る、繰り返す、習熟する)するプロセスを経ることにより、借り物ではない本物の力となっていくというものです。加えて昨年から学ぶMSC-NETでは、「目的」の重要性を教えられています。「何故」行うのか、「どうして」これを選ぶのか、「どのように」活用するのか・・・「目的」が曖昧であると全てが曖昧になってしまうから、その危険性を除けというのです。
 仕事とは「問題の解決をすること」とも言われます。慌てて対処療法的な手を短絡的に打つのではなく、問題解決に先立ち「企業目的」にまで遡って考え、対処するように指導を受けています。これは実行し続けるのは結構大変ですが、創意工夫を凝らし、新しい仕事を切り開く力(パワー)にはなります。

創造経営の示す「家庭と経営」・・・わが子を伸ばす7つのヒント(日経ビジネス2005.12.12より)
 創造経営では、家族関係が良くなれば経営は自然と良くなると表現しています。子供の学力も家庭生活が安定し充実していると良くなるものという記事がありました。ここに要点を紹介します。
①早寝・早起き・朝ご飯・・・規則正しい生活を送りましょう!
②父親の子育て参加・・・子供は父親と母親の合作です。育成も両親の父性と母性をしっかり子供に伝えましょう!
③家族団欒・・・子供は家族団欒で幸福を感じるもの。量ではなく質の面もあるけれど、企業への異常な長時間労働は修正しよう!
④命令せずに考えさせる・・・優秀な生徒の家庭では「小さい頃から考えさせる習慣をつけさせる」という特徴がある。
⑤家のルールを守る・・・優秀な生徒の家庭では、「各家庭にその家としてのルールがあり、決めたことは守る習慣がある」
⑥子供の前で本を読む・・・読書は学力アップの基本。両親に読書の習慣がありますか?
⑦親が子育てに哲学を持つ・・・どんな子供に育って欲しいか親がイメージを持っている。

[ 更新:2006-06-13 13:07:49 ]

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