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経営コンサルタント吉見からのお知らせ

◆今年に入り、昔御世話になった2社が自己破産の申請

 今年に入り、昔御世話になった2社が自己破産の申請をされたことを新聞で知りました。いずれの企業も2代目での破綻で、3代目となるはずのご子息も一緒に働かれていたようですが、残念な結果でした。詳細は不明ですが、取引先や社員、その家族への影響を考えると「倒産は罪悪である」という教えの言葉が思いだされます。悪いものを悪いまま放置してはいけない、必ず改めると言う強い意志が必要です。

◇「生産性をあげる」とは、より少ないインプットでより大きな効果をあげること。そして効率も大切だが、いかに競争他社と違うことをやるかまで求められており、中小企業であっても経営管理レベルは上る一方です。このレベルアップに成功する企業としない企業の差は、トップの関わり方の差でもあります。トップが本気になり、社内に上下の尊敬と信頼の気持がある組織は生き残っていけます。変えられないものは過去と他人、変えられるものは未来と自分です。トップが変わると会社は変わります。

◆ フリーターが約400万人に達したと新聞に出ていました。大卒でも4人に一人がフリーターとのことです。平均年収は106万円と同年代の生社員の3分の1、厳しい金額です。労使対立ではなく、お互いのために市場創造、顧客開拓、顧客満足の追及の基本となる個々人の能力開発が今ほど問われていることはないでしょう。学び、仕事に活かし続けましょう。

ワンポイント・・・エンパワーメントとは?
  『現場に任せること』従業員の能力を確認した上で、任せたほうがよいと思われる場合、ある程度の権限を与え、意思決定を任せていくこと。この場合も、任せっ放しにするのではなく、計数的なチェックや、会社としての価値観や優先順位の徹底、意思決定や行動のルール設定や管理を行うことは重要。中小企業では、能力の確認を行わないまま任せる、任せてはいけないことまで任せる、権限の範囲が不明瞭、信頼と放任の混同、中間でチェックを行わず締めてびっくり・・・というケースがあるので、実行の際はご注意下さい。

★大創産業社長 矢野 博丈氏 ★
・お客様をつなぎ留めるために、商品を、店を磨くことが大事。品揃えに対するお客様の要求水準は高くなる。在庫が足りているか、は常に恐れる。
・日本には反省する力がない。小売業は、「必死」という以外、生き残る術はない。
・今売れていることと、将来売れることは無関係だから、単品管理はしない。
・店というのは、商品点数を絞れば絞るほど販売のスピードは速くなるが、雑貨においては飽きられるのが速くなることでもある。
・21世紀はいい結果があっという間に落ちる世界。成長より退却で差が出る時代。
・好調のときも「いつかはダメになる、こんなことが長く続くわけがない」と恐れおののく力が会社の力である。

★ P・ドラッカー氏 ★
 正しく事業を遂行することと、正しい事業を遂行することは違う。正しい事業だけを手がけている健全な企業でも、「効率」が悪ければ命取りになる。事業の遂行方法が間違っていなくても、間違った事業を選択するなら、いずれ存続できない。効率アップの手法としては、経費の抑制、人員削減、不採算部門圧縮などがある。事業の選択としては、新製品・新市場・新ビジネスモデルなどの事業そのものの創造や、攻める成長戦略などがあるが、「明日を考えること」なくして存続は困難。

★岩手県沢内村 太田元村長 「村づくり4原則」 ★
①調和をしっかりやること、②リーダーは引率型ではなく、演出型であること、③すぐに結論を出す特急型ではなく、途中で降りて反省しまた進む“途中下車型”であること、④一人一人がせい、話し合ってせい、皆でせい、の“三せい運動”を進めること。地域社会を創るには、連帯と、他人のために働くという「徳」の要素が必要。

★ 山陽工具㈱ 後藤 公一社長 ★
 伝統的技術がないと近代化はありえない。技術の継承はマンツーマンで。人づくりが社業の発展につながる。人づくりの基本は技術の継承にある。

★ 太田 尭氏★
 「心」と言うものは、不安定でパターン化していない。選択の幅の広いものであり、それこそが人間の取り柄だ。古いものの中には過去の人々の知恵が凝縮されている。古いものを捨てるのではなく、それに敬意を払うことがより有効な改革をもたらす。利益にこだわることで、より効率的なシステムを作ることができる。そのためには、働く人の技術練度、モチベーションの高さが必要。

★ ジャスコ ★
「 教育は最大の福祉なり」公正、人間尊重、変化即応、合理性、能力開発を人事5原則という。

★ 松竹が実施した社内改革 ★
① 経験と勘だけが頼りから、市場調査やデータ収集も重視に変更。
② “どんぶり勘定”から「予算管理」を徹底に変更。
③ 連携が少ない縦割り組織から、組織横断のプロジェクト制に移行。
④ 年功序列の人事制度から、若手の積極的登用と能力主義の導入。
⑤ 少ない人事異動から人材の流動化。必要な人財は外部から採用。

★ 宗文洲 ソフトブレーン会長 ★
 「顧客起点」顧客の声を聞く、顧客の身になって発想する。仕事を単純化し、無用な苦労をすることなく結果を出すことを考え指示する。戦略とは、戦いを略すこと。限られたリソースを無用な戦いに注ぎ込まないで、勝つための勝負に振り向ける。これがマネジメントの本質だ。また必要なものは、情報を活用するための経営技術である。

★ 米の社会学者 リチャード・フロリダ氏 ★
 これからのイノベーション(革新)の集積は「3つのT」に規定される。①テクノロジーのT、②タレント(人材)のT、③トレランス(許容度)のT。創造的な人材を集めるには、地域社会の許容度なり自由度が重要。

★ 元東大総長 南原 繁氏 ★
 歴史は過去によって縛られた宿命や運命ではない。人間の絶えざる努力、不断の創造、日々新たな建設、これこそ真の歴史である。歴史は私達自身の中にある。

★ 萩本 欽一氏 ★
 飢餓(ハングリー)は力を生み出すが、貧困(プア―)は何の力も生み出さない。飢餓は満たされないものがあるから何とか自分で満たそうとする欲求である。行動の5原則。ア・・・アイデア、自分で創った、又は納得できる企画である。イ・・・インタレスト、興味を持つと積極性が出る。ウ・・・ウォーク、行動。自分の行動は自分の意志で決すべし。エ・・・エキサイト、自分のやっていることに自信を持ち、燃える!オ・・・オーナーシップ、成功しても失敗しても責任を持つことが本当の自負。自己責任を確立する。
「好きなら3年やれ、3年続ければ10年、10年やれば何とか一人前になる。」自らの意思で時間を追う。代行がきかない人間としての存在観を示す。人瀬は障害物レース。

★ エア・ドゥ元社長 中渓 正樹氏 ★
 「能力は最大限に、権力は最小限に」経営者や中間管理職が仕事をする時、能力を使えば使うほど周囲を幸せにします。経験に裏打ちされた知識を生かし、適切な指示やアドバイスをすれば、部下は良い結果を上げることができます。「経営者は森を見ろ」と言いますが、1本1本の木が見分けられない状態で森を見ても意味がない。

★ 元ラグビー日本代表監督 宿澤 広朗氏 ★
 スポーツの世界では必ず結果責任が問われる。敗因をきちんと分析して対策を打つ。だから組織を鍛えるノウハウが磨かれる。強い相手と激突してからその対応を考えていては遅い。市場では一旦後手に回ったら負け続ける。上司が責任を持って、人と違うシナリオを描いてディラーに徹底しないと勝てない。神戸製鋼は「自由奔放なラグビー」と評されたが、個の能力が高く、互いの動きが自然と連動するほど練習を積んでいるからできること。「まず型にはめ」2年目以降から個の判断を重視する。能力が劣っているチームが相手と同じ戦略でぶつかっても結果は見えている。リスクを覚悟で違う戦い方を模索するしかない。

★ 相澤 将之著「営業の理」 ダイヤモンド社 ★
 目的意識に基づき「売れる条件」を常に意識して考えることこそ営業の真髄であり、コツである。顧客状況、関心事、何を求めているかを調査しながら地道に営業する。販売つまり営業とは、顧客、商品、自社、他社、時流という要因がせめぎあう「場の力学」だ。営業の力学には、場面ごと複雑に変化する「場の力学」だけでなく、過去の経験から出た経験則や普遍的な原理・原則から出てくる「基本の力学」も影響する。営業には、俳優、教師、医師、芸術家、商人、宣教師という6つの顔が必要だと説く。

★ 青和信用組合理事長 井出 昭氏 ★
 小規模のメリットは、一定範囲に絞った商圏の中で徹底して顧客から信頼されるなら強い。自らの商圏を限定し、そこに投入する人材を鍛え、地域の情報を吸い上げれば、大手との対抗力ができる。顧客指向経営の徹底、マーケットとターゲットの見直し、狭域高密度取引の構築、主要得意先の増強。商圏を限定すれば自動的に顧客に選ばれるわけではない。戦力となる職員の能力と意識をいかに高めるかが勝負の分かれ目。研修制度も社員個々の自己研鑽では限界がある。小規模ゆえに、自分達で何とかしないと組織として生き残りはあり得ない。自分で判断し、顧客にアドバイスできる一線の職員を育てる。

★ トヨタ自動車㈱ 専務取締役 松原 彰雄氏と日本ユニシス㈱代表取締役島田精一氏のトークセッションからの示唆~「勝ち組」から「価値組」へ ★
① 顧客目線で3層の価値(基本価値・使用価値・感性価値)をバランスよく進化させることが重要(さまざまな切り口で市場創造)。
② 感性価値は時間とともに基本価値・使用価値に変化するため、常に新しい感性価値を創出することが重要。
③ 「なくてはならない企業」になるために、変化に合わせ顧客目線と現場目線で限界が見えた仕事を変えていくことが重要
④ 全社トータルにアウトプットを出すためには、あら探しではなく先へ向けたポジティブなPDCA(振り返りのプロセス)をまわすことが重要。

水木 しげる 「幸せになる七ヶ条」
一 成功や栄誉や勝ち負けを目的にことを行ってはいけない。二 「しないではいられないこと」をし続けなさい。三 他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追及すべし。四 「好きの力」を信じる。五 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。六 怠け者になりなさい。七 目に見えない世界を信じる。

【日経ビジネス他の印象記事・言葉】
* 誰も信用しない人間は、誰からも信用されないものである(ハロルド・マクミラン)
* 家庭教育と学校教育と社会教育というものは、ある価値観で同心円を組まない限り、人格形成が上手く行われないし、満足な人間を作り出せない。
* 環境が人を変え、建物が人を癒す。人と人のつながりが、人を変え人を癒す。
* 自ら考え学ぶことで、個人の能力を発揮出来るようになる「学習する組織」が大事。
* 今起こりつつあることを、より早く発見し、その時々の変化により機敏に反応する。
* 企業努力(自助努力)が回復の基本。技術力の継続的向上(労働の質の向上であり、教育の質の向上)、リーダーシップ、R&D、意思決定のスピードアップ、コミュニケーション能力アップがキーワード。
* 理に叶う問題意識をくっきりと持って仕事を行えば力がつく。
* 躾ができている人は仕事ができる。
* ビジネスの芽は、自分が困っていること、他人が困っていることをまず助けることから始まる。形が見えないものは理解されないから形にする。全ての人が生涯現役、生きている限り誰かの役に立つ。
* 真面目でいい人は我慢強く、ストレスが蓄積しやすい。そういう人は活性酸素ができやすく、動脈硬化が進んだり身体の老化が早く起きる。
* 仕事でも趣味でも、興味のあることなら時間の使い方は自然に「密度」が高くなる。(堀場雅夫)
* 人は死ということをリアルに感じ取ることで、好きなことをやるための勇気が出て来る。

[ 更新:2006-05-24 08:49:54 ]

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