皆様、バロック音楽はお好きですか。NHKFM放送では、朝6時より「バロックの森」という番組がありますね。
【趣味 音楽】
皆様、バロック音楽はお好きですか。NHKFM放送では、朝6時より「バロックの森」という番組がありますね。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、バロック音楽は、17世紀初頭から18世紀中頃までのヘンデル、ヨハン・セバスティアン・バッハ、テレマン、クープラン、ヴィヴァルディに代表されるヨーロッパ音楽をいい、ルネサンス音楽時代の終了する1600年頃から、J.S.バッハの死去した1750年代までの約150年間とすることが多いとのことです。バロックという言葉は、ポルトガル語で「歪んだ真珠」を意味する「Barocco」という単語に由来するとされるとありました。知りませんでした。
3 月上旬、ベルリン・バロック・ゾリステンのコンサートが札幌でありました。彼らは、名門ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーによる気鋭のバロック・アンサンブルです。演奏スタイルの特徴は、現代楽器による古楽奏法といっても私には良く分かりません。パンフレットにそう書いてありました。ベルリン・フィルの元コンサート・マスターで、古楽奏者の第一人者として国際的に活躍するライナー・クスマウルをリーダーに、モダン楽器にガット弦を張り、バロック時代の弓に持ち替えて奏でる音楽は、新たなバロック演奏と高く評価されているともパンフレットにありました。今回は、この最強メンバーにベルリン・フィルの首席ソロ・オーボエ奏者のアルブレヒト・マイヤーが加わり華を添えました。自由に歌うフレーズ、色彩豊かな音色がマイヤーの持ち味とのことで、美しく心地良い音色に包まれた至福の一時でした。
【吉見コンサルの創造経営セミナー】
3月2日に苫小牧、7日に札幌で開催しました。苫小牧では年2回のサイクルで実施、今回が通算10回目、次回は夏以降に開催の予定です。少人数でしっかり学ぶ場として位置付けています。苫小牧は8割の方が中小企業家同友会の会員で、まさに同友会のサブゼミといった集いでした。
7日は人事コンサルタント・社会保険労務士菊池滋様との共催でした。札幌では、同じく同友会会員企業の経営者の方が積極的に声をかけてくださり、当初の心つもりの倍の人数が参加して下さいました。実に有り難いことです。札幌と苫小牧両方に参加して下さった方もあり、嬉しいことでした。「自分の得意分野でお客様に還元」という願いのセミナー、今後も続けていきます!
【創造~高知工科大学教授水野博之氏の講演から】
人間を人間たらしめるのは、科学の理論を実際に応用して暮らしや社会に役立てる技術(匠技)の誕生であり、技術を技術たらしめるツールとして使う人間の頭脳の働きであり、このことを最も的確に表現したのが経済学者のシュンペーターである。シュンペーターは、人類の進歩はイノベーションを通じて起きるというコンセプト(概念)を打ち出し、イノベーションを日本では「技術革新」と訳されているが、これは誤訳だ。何かすごい特別なものでも発明しないと人類の進歩に貢献できないと思わせてしまっているが違う。一つ一つの新しいやり方が人間を変えるというふうに、中国の解釈の創新(新しさをつくる)のように「新しさをつくる」と解釈すべきだ。長い歴史の中での新しい取組みの蓄積が現在を形作っていると考えるとよい。
今世の中は色々な問題で右往左往しているが、昔の人のやった事を調べ、極める事によって新しい道を見出す事ができる。人類が他の動物と違うあり方をした理由を訪ねて、我々はどこに行こうとしているのかじっくりと考える事が重要ではないだろうか。
【講演会:青木 豊彦氏 東大阪市モノづくり親善大使】
2月中旬、苫小牧で㈱アオキ代表取締役青木氏の講演がありました。聴衆は数十名だったでしょうか。最後は涙を流しながらの熱弁でした。中小企業の悲哀をたくさん味わった方のようです。それだけに言葉には訴える力がみなぎっていました。もっと多くの人たちに聞いて欲しかったと思いますが、記憶に残った点をご紹介します。
*米ボーイング社と取引をし、書類の管理能力に優れてないと継続取引ができないことが分かった。
*設備投資をし、新しい機械を使いこなすのに概ね3ヶ月かかっている。
*「不況時に機械を購入すると、交渉で半値の八掛けで買える。」とわれわれの業界では言っている。
*売上はどうしても上下がある。既存設備、既存技術の延長線上(我が社の基準線)で戦っている。
*小さくともオンリーワン(一番)になることを、東大阪の中小企業は心がけ、努力している。
*若い人はお金に敏感、お金に対する嗅覚が鋭いから、儲からない会社、給料の安い会社には行かない。
*子供への母親のいい言葉は、「お父さんのようになりなさい!」、逆は「お父さんみたいになってはいけない!」。
*センスの良し悪しは、年齢ではなく自分自身、その人自身が修羅場をどれだけくぐったかによる。
*中小企業に働くことへの誇り、住む地域に対する愛着は絶対必要。地域のために貢献する心、奉仕する心があっての商売でありモノづくり。
【顧客満足】
仕事をいただく以上、依頼者の期待以上(プラスα)のものを提供したいですね。創造経営の礒部社長には、「お金をいただく以上、感謝されるのは当たり前のレベルだ!」と教えられました。実行はなかなか難しい面もありますが、その心は忘れずにいたいと思っています。
製造業では、設計に無理がある、お客様との意思疎通が不足すると、製造の現場や納品時点で問題が発生します。ですから、スタートに遡って問題の予知、発見、解決する力の差が、後でのミスやクレームの発生の量に関わっています。まず「気づき」からです。そして「相手に対する思いやり」ですね。ただし、頭で分かっても行動が伴わなければ理解とは言いませんし、何事も変わりません。企業としての存在意義、自分達の会社が、お客様や取引先に対しどのようなことができるのか、常に考え直していきましょう。近代工業社会は財物の数量の多さが優先した社会でした。今後の知価社会(堺屋太一氏の命名)では(創造経営では生活者経済と呼んでいます)、「満足を提供する」ことがキーワードとなりそうです。
【技術の継承(バトンタッチ)】
2月中旬に中小企業家同友会主催の「自己発見セミナー」一泊二日を担当させていただきました。20代から50代までの10名の受講者と、講義・心理テスト・ワークシート・グループミーティングを繰り返しつつ、自分を見直す二日間で実に有意義でした。実に久しぶりに取組みましたが、自己改善には、自分に気づくにはこのような時間と場が必要ということを再認識いたしました。是非次の機会をつくりたいものです。
最初に参加動機を尋ねましたら、ある方が「社内の技術の継承に問題を感じ、何かきっかけをつかめたら・・・」と回答されました。私はセミナー終了後、ノウハウや技術は、教える、伝える、譲渡することで伝授できるものなのかと考えてしまいました。「継承」という言葉もありますが、譲り渡す側と譲り受ける側との、相互の思いと努力が一致しなければ難しいことですね。「まなび学は真似ることに始まる。」と言いますが、職場に「お手本を示す、その手本に従う」というベースがなければ、急に技術の継承といっても困惑します。「行動見本」を大切にしましょう。学ぼうとする人は、良いお手本をたくさん見ることから始め、繰り返してしっかり見ましょう。次にそのお手本を何度も何度も真似をしましょう。真似を続けるうちに技術が少しづつに身に付き、忠実に真似ができるまでに習慣化しましょう。そうすると個性や創造性が必ずついてきます。
【組織風土】
自分の属する会社、職場に誇りを持っていますか。私が普段関わる事のない比較的大きな企業の「管理者養成講座」の講師を担当したとき、30歳前後の受講者に、「自分がこの会社に勤務していることを、知人友人の皆さんは知っていますか?」と尋ねましたら、一部の方が「話したくもないし、教えたくない。恥ずかしいから・・・」と言う回答があり驚きました。自分の属する職場に是非誇りを持って欲しいですね。そうすると職場の活力・エネルギーと自分の活力・エネルギーがいい影響を与え合います。問題が起こっても、お互いに知恵を出し合って改善をして行こうというチームワークにつながっていきます。一人ひとりが生きがいを持って元気に働くことによって、会社そのものが元気になっていきます。
組織が一体となり、同じ目的を持って取組む、やり抜く「気持と心の強さ」を育てるのが、自分の生きる力(生命力)の開発です。加えてともに働く人(仲間)を信じて、教育や職場環境整備に力を注ぐと、従業員は会社を信用し努力するものです。従業員に信用されない会社、尊敬されない会社が地域や顧客に支持されることはないでしょう。社員は大切にしましょう。
失敗原因の分類(科学技術振興機構 畑村委員会作成のものより) 残念ながら人は誰でも間違えることはあります。ゆえに、どこに間違いの原因があり、どうすれば防げたのかを明確に示すことは、再発防止に必要なことです。加えて再発防止は失敗した者の責任であることを忘れてはいけません。失敗原因を羅列すると、①環境変化への対応ミス、②企画ミス、③価値観の不一致、④組織運営のまずさ、⑤未知・未経験の出来事、⑥担当者の無知、⑦不注意、⑧手順のミス、⑨判断ミス、⑩調査研究(準備・段取り)の不足などがあるでしょう。個人の問題、組織の問題に、両方に絡むものと区分して再発防止対策(歯止め)をしっかり行ないましょう!
【雑感・・・】
l① 年齢を重ねると経験も増え、ストレスに対する耐性が高まるそうです。若いときのように遊ばなくなるのは、体力の変化や衰えと思っていましたが、実は遊ばなくとも耐えられる力がついているのだ、と臨床心理士の渋谷英雄さんの意見。時には自分に向かって「遊ぼう!」と声をかけるのもいいことだ。
l② 映画監督の小栗康平さんの言葉です。「目に見える現実は“変えられないもの”に見える。しかし、夢や記憶、情念、伝承など、目に見えない思いが現実を突破し、変えてしまうこともあるのでは・・・」
l③ 「道民の翼」というキャッチフレーズのあったエアドゥという航空会社があります。上京のさい、初めてエアドゥのカウンターを利用しました。これまで何度か利用はしていましたが、全日空との共同運航便で、チケットの手続きはすべて全日空を通じてでした。今回のエアドゥカウンターの若い女性の対応の良さには驚きました。これまで遠目に見ていますと、全日空との比較では「いまいち垢抜けないな~」という印象でしたが、てきぱきと、お客様の視線で、加えて道民限定サービスのアピールと、そつなくさわやかな笑顔で行っていました。素直に「頑張っているんだなあ。努力しているんだなあ。」平均搭乗率が一番高いというのも、全日空のサポートだけでなく、お客様を見据えた社員一人一人の自助努力の積み重ねがあることを教えてもらいました。いいことは素直に見習おう!
l④ 大学のゼミ(刑法)の同窓会といいますか、恩師を囲む集いの打ち合わせを、時間の都合のつく3名(私を含む)で短い時間行い、その後少しお酒を飲みながら雑談をしました。2名は私より少し後輩ですが、二人とも上場企業勤務です。ご自分の勤務先の資本提携問題、金融機関のかかわり、決算内容、事業戦略、競合他社の動き、リストラの推移等々とてもよく興味を持って見ていました。加えて「我が社がもっと良くなるには・・・」、という視線で物事・仕事を見ていることと、70歳まで何らかの形で現役で働きたいという積極性もあり、このような管理職スタッフのモチベーションを維持し、企業がもっと良くなる提案を積極的に受け入れる仕組み(システム)があると、彼らの組織は更に活性化するのだろうなと思いつつ別れました。中小企業でも、彼らのような思いの社員がいます。そのような社員と一緒に、経営者は企業をその地域に無くてはならない存在にし続けて欲しいものです。
連載【赤字を黒字に 第8回】(6)今事業をやめたら・・・
①ゆとりのあるうちに解散・清算を「倒産は社会的罪悪、経済的殺人である。」とも言いますが、「倒産しないように企業を立て直すのが経営コンサルタントの腕だろう。」とも言われますが、今なら資産もあり、債権者に迷惑をかけずに清算できるなら、会社を閉じることも立派な選択肢の一つです。最近では、より経営力のある他社への営業譲渡の道も増えています。 赤字を黒字に、経営を再建軌道に乗せることにコンサルタントとして全力を尽くすのですが、5年も10年も赤字続きで赤字慣れしている企業、後継者に恵まれない企業の再生は困難を極めます。かつて3千万円以上の債務超過にありつつ、二代目の尽力により黒字化した会社がありましたが、創業者の死亡、二代目の病気による健康悪化の中、赤字に転落。三代目の経営能力に疑問を感じ、個人資産保全と従業員の安心のために営業譲渡を提案したことがありました。二代目と三代目と一緒に弁護士事務所に相談に行かれ、決算書を見てその弁護士は、「まだまだやれるじゃない。」と発言。その弁護士の言葉に私が経営能力に疑問を感じた三代目ががぜん元気を取り戻し、経営を続行しました。この時点で私の関わりは終わりました。その後二代目は病気をおしつつ努力されましたが、赤字体質は変わるわけもなく、二代目は全ての個人資産を処分して資金化して赤字の補填、その後病が悪化し亡くなられました。保険金等で資金の裏づけを得て、三代目がさらに3年ほど経営をされたようですが、営業譲渡をされたようで看板が変わりました。悲しく寂しい経験です。 債務超過とは、手元の資産を全て換金処分しても、支払手形の決済や買掛け未払い金の支払、借入金の返済など債務を返済できない状態をいいます。場合によっては個人資産の持ち出しもありますが、現在の資産を全ての負債返済に充て、株主に出資分の返金ができずとも、従業員にわずかでも退職金を払うことができるなら幸ではないでしょうか。「借金があるからやめられない。」といいつつ継続し、最後は夜逃げ、銀行の融資打ち切りによる倒産、破産の企業を見るたびに、親族・知人の信頼を裏切り、縁が切れていく姿があり、胸が痛みます。会社を解散・清算するかどうかはともかく、今事業をやめたらどうなるか、冷静に見ることも大事です。
② 時価(処分価格)で貸借対照表を作成する もし今会社をたたんだらいくら手元に資金が残るのか、それともいくら不足するのか把握するには、貸借対照表を時価(処分価格)で作成します。時価(処分価格)で作成とは、会社のすべての資産を、今日現在処分・換金したならいくらになるかという価額で評価換えすることです。試算表に評価益や評価損を加算減算していきます。売上債権で焦げ付いているものは、債権から除きます。有価証券は現在の株価で評価しなおします。棚卸資産は、換金処分の場合、通常売価で売ることは困難ですから大幅に減額する必要があります。仕掛品の評価は限りなくゼロに近づくでしょう。原材料は、仕入先に返品可能か、その場合いくらで引き取ってくれるかを目安に価格を決めていきます。土地・建物は現時点の売却時価で評価します。相当前に取得したものは多額の含み益の出る可能性がありますが、バブル期に購入した物件の多くは評価損失が発生するでしょう。機械や車輌も、他に転売できるものと処分不能のものが出てくることでしょう。しょぶんができなければ資産価値はゼロとなります。その他もろもろの資産も、それぞれ評価して資産合計を計算します。
③ 負債は? 通常負債に評価損益は発生しませんが、問題は決算書に載っていない簿外負債の存在する場合です。多く見られるものに、リース負債があります。設備・機器をリースしている場合の、未払いリース料金残高のことです。これらは貸借対照表に載っていないことが多く、企業が倒産・廃業の場合、リース会社はリース資産を引き上げるだけではなく、残っているリース債務も請求してきますから、実質的に負債となります。 次の退職金です。退職金規定がある場合、該当する社員に支給する必要が出てきますから、社員個々人別に試算して負債計上します。このように処分価額から貸借対照表を作成すると、いかに自社の資産が少なく負債が多いことか驚くかもしれません。企業は継続・存続を前提にしていることを再認識し、何としても企業を永続させる強い気持を抱いていただきたいものです。
④ 資金繰り現状把握の最後は資金繰りです。赤字会社は資金繰りが楽なはずはありませんし、苦しいのも当たり前です。ここでは3ヶ月から半年の期間、資金が回るかどうかをしっかり把握します。あと半年資金が持たない場合は、赤字の改善よりも資金対策に目途がつかなければ、会社再建の私的及び法的整理に着手する必要が出てきます。ここ半年資金に不足がない場合は収益構造の改善から再構築を進めていきます。
[ 更新:2006-04-01 16:10:30 ]