企画提案型営業
管理者は次のようなマネジメント
コンサルティングセールスを行なう(企画提案型営業)
コンサルティングセールスとは、ユーザーの相談に乗るだけでなく、積極的にユーザーの希望や要求を汲み取り、また困っている問題の解決に当たることを通して需要を創造していく組織的なセールス活動と定義しよう。顧客の言いなりになるという意味ではない。
「質」という漢字だが、漢和辞典をひくと「金銭に相当するものをはかって定める」という意味を持つし、「誠」という意味も持つ。顧客要求に対する質が高いと金銭が多く集まり、顧客要求に対する質が低いと金銭は少ししか集まらないのが現実だ。
顧客は商品というモノを単純に購入していることもあれば、商品が持っている機能や品質(安心)も買っている。という観点に立てば、商品の知識やその使用法を正しくユーザーに説明することに加えて、その商品を使って生活の改善や工程の改善への役立て方を積極的にコンサルティングしていくことが当然に求められる。だから今のセールスマンにはプレゼンテーション能力(感情にインパクトを与えるもの)もあった方がいい。
顧客には寿命があるし、商圏への流入・流出も常にある。とりわけ北海道は札幌圏を除き人口減と高齢化の流れにある。だからこのようなコンサルティングを、自社の商品を購入してくれたユーザーに対し徹底的に行ない、持続的な取引を実現することは最優先となる。加えて商圏内の潜在顧客に対しても行なう「市場深耕策」が中小企業の取る基本戦略である。
今のような不況感漂う時だからこそ、潜在顧客が困っていることの相談に親身に乗り、この解決策を一緒に考え、具体的に提案し、結果として自社の商品を利用していただくという思想が極めて大切だ。既存客に相談されるということは、信頼されているという証だ。信頼されていなければ、顧客は相談する時間も会う時間ももったいないからだ。だから時と場合によっては、採算性や効率性を忘れてでも徹底して対応する必要もある。
顧客がエンドユーザーであれば生活提案、顧客が販売店であれば販売支援、またメーカーが顧客であれば工場の合理化や製品開発等のサポートなどがコンサルティングの内容となる。
これらのコンサルティングはセールスマン個人の力だけでは十分になし得ない。会社としてこうしたサポート体制を確立し、組織的な体制を築くことが大切である。顧客はセールスマン個人に商品やサービスを求めているように見えるが、本当はセールスの背後の会社に対し、自分(自社)に必要で有効な物やサービスの提供を求めているからだ。
マネジメント
管理者は次のようなマネジメントができるように情報収集とスキルを磨こう。
1)顧客分析・・・現在どのルートが最終受注につながりやすいのかしっかり見極めよう。
2)売上予測・・・今月の売上は、来月の売上は、○○月頃の売上はどうなっていくのかという予測する習慣を身につけよう。特に予算実績会議の際は、このイメージを持って会議を進めよう。
3)我社の、個々のセールスの勝ちパターンをつかんで、その流れに乗るようにプッシュする。
4)ホット(クロージング)客となりそうな案件や客先の明細表を作成し、常に更新する。
5)営業活動分析・・・個々のセールスマンの最も有効な営業スタイルを把握し、強みとして伸ばすサポートをする。
6)営業マンの評価・・・営業成果の評価に加え、数値以外の(数値化になじまない)評価基準も持とう。
7)会計技術を使って、営業コストと売上原価もつかみ、俗にいう粗利や、管理会計でいう貢献利益をセールスマン別や商品別等で示せるようになろう。
8)真剣に本気でクレームゼロを目標としよう。