創造経営吉見ゼミ―1回目

平成20年4月23日 創造経営吉見ゼミ―1回目 テーマは「業種分野の選択と事業開発」
1.環境と経営者の視点(大局的な視点)
2. どのように進むべき道(業種分野)を選ぶか
3. 事業開発活動

1.環境と経営者の視点(大局的な視点)
(1) 概要
@北海道の中小企業の業績は決して良くないが、経営者はこの時代の変化を予測して、柔軟に関わって対応していく必要がある。
A現在は極め大きな変化の流れの中にあり、過去の経営の仕方が通用しなくなっている。
B時代の変化、業界の変化、地域社会の変化など、大局的な視点を持つべし。

(2) 環境変化への対応
@ 地球環境の変化・・・省資源、省エネルギー、環境に負荷をかけず、自然と調和する。
A人口の変化・・・健康で死ぬまで現役、メンテナンスフリー、シンプル(扱いやすい)、地産地消費。
B金融のグローバル化(金融資本主義)・・・実体経済(モノ作り)産業を基盤に、質の追求と持続性ある商いを基本とする。

北海道の働く環境は厳しい
(イ)北海道の人口は平成19年12月末で5,598,776人。平成10年同月は5,731,812人だったから、9年間で133,036人減少した。
(ロ)北海道の完全失業者は、約15万人(失業率5.3%)。
(ハ)北海道の自殺者は、1,745人(平成15年)。
(ニ)北海道の倒産企業数は平成19年601件(前年は530件)。
*現在は競争の時代、そのスピードは年々加速している。
*その中で生き残っている企業、成長している企業は何をしているか?
*そのような企業では、どのような社員が求められているか?

(3) IT社会
 インターネットによる多様な情報や知識の入手→共有→発信という新たなビジネスモデルつくり。

(4) 国際化と過疎化(勝ち組、負け組)、法律・行政の変化(自由化・市場原理と規制強化)

2. どのように進むべき道(業種分野)を選ぶか
(1) 持続可能な発展
 量的拡大ではなく、質の充実に向けて生活改善し、環境と経済の調和を求めて、小さいが高付加価値(利益を付加させられる)を実現する事業分野と、それを実現する商品・技術を追求する。

(2) 人口減の地域から発信
 地域の独自性ある商品・技術を、地域文化に根ざした商品・技術を、地域ネットワークを活かして販売を広げる(自分と関わる人や地域に似合うもの、マッチするもの)。

3. 事業開発活動
 新たな事業や市場を創り出さなければ、企業は生き残れない時代となっている。売上の急減や目先の現象に対応することで追われ、余裕がないのが中小企業だが、それを克服する覚悟で挑む。
 新たな事業や市場を創り出すには、少なくとも2〜3年、通常は4〜5年かかっているのが現実である。

(1)新事業開発のプロセス
@純粋な創業の心に立ち返る
A経営目的(何のために経営をするのか、何のために生きるのか)再確認する
B新商品・新サービスの開発、新技術開発、生産方式・販売方式の革新と進むべき道の選択(チョイス)
C経営補完者(トップのサポートメンバー)・中核人材の確保と育成
D新事業開発活動
E新事業が機能するように経営の仕組みを改める

@純粋な創業の心に立ち返る
 新事業開発は簡単ではなく、苦労も困難も多い。これから現れる苦労や困難を乗り越える経営能力と、何があってもやり遂げるという強い気持ち(使命感)がどうしても必要になる。
 やらねばならないし、それが自分の生きている価値であり、関わる人から自分に必要とされていることであると自覚することがないと、覚悟がないと途中で挫折し、投げ出してしまう。

A 経営目的(何のために経営をするのか、何のために生きるのか)
@) なぜ人間として生まれてきたのか?
   発見されている生物種176万種の中で、なぜ「人間」として生まれてきたか?
 人は必要とされて生まれてきている。せっかく経営者として生きるのだから、エゴのモノ金追及にとどまることなく、関わる人に役立つ生き方をしていただきたいし、社員はそのような経営者を支えて欲しい。まず個人が自分を高め、自分が関わる組織集団を高めていこう。
  ★仕事を通して人間としてのステージを高める〜菩薩道=悪いものは良くする〜
   自己中心性→自立準備性→自立力→開拓力→指導力→包容力→感化力
  
★仕事の意義
イ)人間の能力を発揮、向上させる
   ロ)共働を通して自己中心(わがまま)を無くす
   ハ)まともで真面目な生活に必要な財、サービスを生み出す

A) 激変する環境変化にフィットする新事業の構想力
 前述した大局的な視点と、現実的な視点を掘り下げ、絡み合わせて、はっと気づき、新ビジネスや新商品の構想がひらめくもの。問題意識も事業意欲もなければ、チャンスやいい人と出会っても、何も気づけずに終わる。
 事業を具体的の構想する中で、商品から新技術開発、生産方式・物流・販売方式の革新へと構想は具体的に広がっていく。

B 新商品・新サービスの開発、新技術開発、生産方式・販売方式の革新と進むべき道の選択(チョイス)・・・4つの視点
@)顧客からの視点
 関わる顧客の困っていることを、自分も一緒に関わって解決に協力していく、一汗かくこと。潜在ニーズに気づき、発見したいのだが、顧客は誰にでも気軽に相談はしない。日ごろの人間関係で、相手を見て困っていることを口に出す。それに応えて、さらに取引先に信頼され、訪問都度歓迎され、相互に支援される関係が、新事業の推進のベースとなる。

A)棲み分けの視点
 大企業(強者)であれば、同じ市場でしのぎを削り、相手のシェアを奪うために商品・サービス、技術、生産・販売方式を革新し、より良いものにしていくというやり方もある。
 弱者である中小企業は、大手・強豪と競争するのではなく、市場なり商品・サービス分野を分け合い、そこで適合して伸びていく道を探そう。自社に一番合った市場や業種分野で、それに特化し、その地域、顧客と共生・共益を図っていく(小さくとも何かで一番になる)。

B)企業体質改善の視点
 企業は、それぞれの企業の存在する業種や業態、市場規模や市場特性などによって、さまざまの制約を受けている。その中で企業が持続的に成長するには、日常的に改善、技術革新、製品やサービスのグレードアップを追求し、スピーディに対応しなければならない。
中小企業であっても、商品やサービス、生産や販売方式について、現在より一段一段高い目標を設定し、その実現に向けて努力を重ねる企業文化を作っていかなければ、大手に席巻され、新たな事業創造は困難となる。

C)技術革新の視点
平成20年3月19日に行われた「発明&デザイン引力おこし」の事例紹介
創造経営本部 役員の企業 北上電設 エコシルフィの事例
     以上

[ 2008-04-29 09:06:08 ]


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