先日の苫小牧の経営ゼミで扱ったことの一つ
オーナー型同族企業の場合、多くは親から子に事業が継承されます。そこには当然ながら親子の年齢差がありますから、世代交代によって30年毎に大きなビジネス転換が起きますから、これが強みになっているのではないか、というものですね。
一時随分言われた「会社の寿命30年説」にも相通じるのかもしれません。
星野社長は、「非同族の経営は一流だが、同族会社はオレ流だ!」というのも面白い表現です。
星野社長は、他にも次のような対比をされています。
◎上場する非同族企業にはMBA取得者がいっぱいいるが、同族系家はMPO(ママとパパの思い付き)経営だ。
◎非同族企業がグローバル展開なら、同族はローカル展開だ。
◎非同族企業には外資を含めて投資家やコンサルタントがつくが、同族には親類と地元の氏神がつく。
→これは、創造経営の創始者の薄衣佐吉先生の意見でもありました。「親類と先祖と氏神に見放されて、同族企業が生き残れるわけがない」という指導でもあったようです。
更に星野社長は、同族経営は「思い付き経営」(経験と勘と度胸の経営)を脱し、ファミリービジネスにあったセオリー(理論や手本)やメソッド(手法)を確立しなさいといいます。
私のこれまでの経験ですが、後継者に経験が不足し、勘も働かず、度胸もないとなると、その会社の継承は厳しいものがあります。
だからこそ、継承者は補完者の存在と、自分からたくさん学ぶ必要と自分がたくさん体験する必要があるということになりますね。
今回使った資料で、星野社長のユニークな意見は「親の七光り税制」です。
これが実現されることはないと思うのですが、「家業を継いで業績を伸ばしたら非課税だが、逆に業績を落としたら重税を課す」といのは面白いですね!
この他にも私たちに参考になるものとして、米国のファミリービジネスプログラムでの「経営者にある4つのステージ」です。
・ビジネススキルを身に付ける
・ビジネスでやっていいことといけないことを区別する
・自分のビジネスの価値観や将来性を認識する
・次世代に引き渡す
これは次世代育成プランに組み込むと、かなり有効と思います。
参考文献:星野佳路氏、東大「同族経営セミナーで語る」
同族経営、その科学と本音 2018年7月26日 中沢康彦氏のコラムから
[ 更新:2018-09-29 16:43:04 ]