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経営コンサルタント吉見からのお知らせ

10月16日 エイベックス㈱ 代表取締役会長 加藤明彦様のお話を聴いて

これは、中小企業家同友会第28回共育研究集会で「強靭な企業をつくる経営姿勢とは」と題して行われた講演からの抜粋です。皆様に役立つように要約してみますので、是非参考にして下さい。

1.世の中は思うようにならない
①会社は何もしなければ必ず潰れる。環境が変化すると売上はなくなるのだから、永久に安定する会社などない。
②人間は永久に生きられないのだから、今いる社員も必ずいなくなる。だから継続雇用と社員共育は必要。
③時間は戻らないし過去は変えられない。しかし時間経過に伴う経験の蓄積はある。だからこそ、毎日の時間を大切にし、今の時代に精一杯考えて、悔いなく行動し、生きること。

2.自分の人生も思うようにはいかないことはたくさんあった

3.チャンスは活かす
 「自分が変われば相手も変わる」、相手のせいにしない経営観を確立した。自分が変わることは、相手が変わることと同じだと気づく。それから相手の言うことを聴く耳を持つようになった。

4.リーマンショックを「経営者の覚悟で乗り切る」
①経営の責任は経営者にあり、社員ではない。経営者はぶれない経営をするべし。社長が全ての責任をとるから、社員には社長の言うことに対し素直に行動することを訴えた。具体的には、ムダ・ロス=機会損失の排除と、効果維持のための改善活動を実施し、人件費以外のすべての経費に着眼して改善を進めた。
②経営理念・経営方針・経営計画に整合性を持たせ、社内浸透をはかった。なぜ当社で働くのか、社内で働きやすくするための問題や課題の発見を、助成金も活用して研修会を行った。知識を「知恵」に変える応用技術の推進を「知恵テク」と名づけ、「これをやると儲かる、これをやるともっと利益が出る」という流れに社員のベクトルを合わせ、結果として社員の一体感が持てた。
③将来を見据えた行動をとる。目先の乗り切り策だけでは成長がないし、大事なことではあるが経営理念だけでは飯は食えない。
イ)新たな顧客・市場開拓の取組・・・営業と技術のコラボレーションで、新たな情報源確保と新規受注確保のために積極的に行動した。
ロ)変化に強い中長期経営計画の立案(新たな戦略構築)・・・徹底的なSWOT分析と戦略形成を行った。今後、市場創造と人材育成に10年かけて取り組む。なぜなら営業力の強化と、企業業績回復に貢献できる人材確保が不可欠だからである。
ハ)創業60年社史の編纂を行い、創業の精神(創業者の想い、経営哲学)を経営理念に反映させ、「変えてはいけないこと」を三代目につないだ。事業継承は社長の最後の仕事である。

5.経営者としての思い
①社長は会社の方向性を決める(業種分野の選定)と人事権と資本権の決定権を持ち、どんな困難があっても、社員や経済環境のせいにせず、「自分が責任をとる覚悟」を持つ!!
②会社は人生そのものだから、人を大切にする経営をする。ひとり一人の社員が成長した分、会社は発展する。一度しかない人生だから、自己成長を実感し、自分が納得できることが永続につながる。誰もわからない潜在能力を発揮することで、やりがい・生きがい・誇りと喜びを感じ、「豊かな人生」が送れる風土づくりをする。それが経営者の責任だ。

6.人を大切にする企業としての姿勢
①経営資源は「人・物・金」と言うが対等ではない。良質な人がいるから投資ができるし、モノ・金もあとからついてくる。経営者には社員の人生を見守る役目がある。

7.経営姿勢:克(か)ち進む経営を目指す。己に勝つ経営が本当の経営。
① 「生き残る経営」… × じっと待つ(経済は山の遭難とは違う)
② 「勝ち残る経営」… ○ ライバル会社から奪い取る
③ 「克ち進む経営」… ◎ 自社の強み・弱みを分析して、強みを活かしたあるべき姿や今後の成功要因を見出す。

8.まとめ
*利益追求は、あくまでも企業が継続・発展するための「経営手段」
*経営目的は、「生きる・暮らしを守る・人間らしく生きる」=関わる人々の「人生における成長」

[ 更新:2010-12-01 10:37:33 ]

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