テーマ「こころ」として入場無料で行われた。定員150人だったが、次々とイスを追加、追加で運び込み、階段通路までぎっしり埋まる盛況ぶりだった。
京都大学医学研究所(精神医学)村井俊哉教授のお話しで印象的だったのは次のことだった。「失敗から学ぶことができるのは思考の柔軟さによる。上手くいっていたものが上手くいかなくなった時、自分の行動を変えて行くのが反転学習。社会性として利他性のタイプと、利己性のタイプがある。人生に何を重んじるかという人間の性格には、生まれながらのものや、幼少期の教育で決まる部分が多々あるようだ。依存症には遺伝が影響を与える場合が多いようだ。人間は多様な価値観の中で生きる動物。」
京都大学こころの未来研究センター(認知心理学)吉川左紀子センター長のお話しで印象的だったのは次のことだった。「対話は言葉と身体の情報交換であり、アイデアの創造場であり、問題解決の糸口となる。対話の知は次のことで一層深まる。共にいる人、沿って歩く人という気持ちで聴くという心構え、言葉にできない気持ちに焦点を当てる、言葉と言葉以外の情報をやり取りする、文化の違いや世代の違いに関する知識を背景に相手に肯定的に関心を持つ。対話の持つ力は大きい。顔を見て話し、時間をかけて話し合うことで相手の気持ちを知り、対話の面白さや楽しさが深まる。顔を見て、声を聞くことから人は知り合い、コミュニケーションが始まる。」
吉川左紀子センター長は後日、次のようにも表現された。「私は、サポーターの仕事がきちんと機能するかどうかで、その社会の安定度、幸せ度が左右されるなあと思っています。教師、医師、看護師、などなどは、その社会の個人の生を支える、サポーターで、子供にとっては、親もサポーターだと思います。」
私たちはいろいろな場面で誰かのサポーターになり、あるいは誰かにサポートされています。これは間違いないことですね。私たちはサポートされるだけではなく、自分ができるサポーターの役割もしっかり果たしていきませんか。
[ 更新:2010-10-01 09:50:54 ]