現在は多くの企業が不況期の中にある。マイナスのスパイラルにはまって苦しんでいる経営者もいるが、従来型のローカルでのスモールビジネスであっても、増収増益の商売を営む経営者も私のお客様にはいる。
世の中全体が沈滞している時に、できない理由をいくら並べても始まらない。誰にも言えなかったことを、信頼できる人に、あるいは甘えられる人に、つもり積った思いを吐き出すことはいいことだ。大事なのはその後だ。自分がやりたいこと、目指したいことを、どうしたらできるようになるか、とことん考える。あれこれ考える。常に前向きに考える。
関わる企業の経営者や社員を見ていて感じることだが、普通の人は今までに経験がない困難に直面すると固まってしまい、挫折してしまう。しかし、部下を持ち、社員を抱えるなら、挫折したままではいけない。つらいが、苦しいが、不安だが、悔しいが、それらをばねに自分を鍛えよう。人は誰にでも生き抜く強さが備わっているものだ。
挫折して、落ち込んでいる人には、私があるべき論や理屈を押しつけたところで全く受け入れてもらえない。経営コンサルタントとして、無理を承知で意見は述べるが、それで相手が簡単に変わることはない。それが現実だ。誰しも、その人特有の育った歴史があり、その人特有の制約もある。関わる人に良くなってもらいたい、関わる会社に何としても良くなってもらいたいと思う時、私が次にすることは「相手の(経営者・管理者・社員)を観察し直す」ことだ。これまでの面談記録を読み直し、KDテスト結果を再確認し、過去のやり取りの場面を思い出しながら、可能性や潜在力を再度見出して、もう一度あの手この手でプッシュする。
私がプッシュしたからと言って、そう簡単に相手は変わらないが、その人が何かをきっかけとして自分のなすべきことをつかみ、自分自身で真剣に考え、自分で目標設定すると驚くほど変化する。年齢に関係なく、いつでも、いつまでも新たな始まりはあるし、自分の潜在力のスイッチを入れて、その人らしく伸びることができる。
ただ、目標を持たない人、自分の意志で行動を起こさない人、人に感謝の気持ちのない人の扱いは難しい。人間は夢や思いが強いと困難も突破するが、これが弱い人や持たない人は簡単に困難に潰されていく。
栄枯盛衰は繰り返されて来た。いいことも悪いこともあり、どちらも片方だけが延々と続くことはなかった。今の不況や困難も、私たちがしっかり向き合って乗り越えるものであり、チャンスとして活用し利用するものとしたい。
[ 更新:2009-06-02 15:23:46 ]