吉見雑感
①エゾ鹿:札幌の事務所と苫小牧の自宅の往復に、支笏湖道路を通ることが多い。3月に入り、支笏湖側の日当たりがよく雪解けの早い山の斜面に、今年はエゾ鹿を見かけることが多い。雪が少ないだけでなく、頭数がかなり増えているようだ。えさとなる植物がまだ少ないせいか、樹木の皮がカンナをかけて磨いたようになっている場所が通るたびに増えている。エゾ鹿に食べられた樹木はやがて枯れていくだろう。これも自然の摂理と言うなら、人口や経済の移ろいも同じかもしれない。快晴もあれば猛吹雪もある、いい時もあるし悪い時もある。宗教学者の山折哲夫氏は次のように語る。「経済用語の景気変動を宗教用語で表現すると『諸行無常』となる。そこには3つの無常原則がある。地上に永遠なるものはない、形あるものは必ず壊れる、人間は生きてそして死ぬという3つだ。景気は循環するもの。そうした前提で冷静に見つめ直したらいかがだろうか。」(日経ビジネス2009.3.16号p1)
②ピアニスト有森博氏ソロコンサート:3月21日午後有森博氏のソロコンサートがあった。土曜日の日中にもかかわらず、少々空席が目立った。私は有森氏の演奏は初めて聴いたが、また出かけてもいいと思うほど気に入った。有森博氏は小柄な印象なのだけれど、床板を音が出るほど体重を乗せ大股で歩いて登場。私の席はステージに向かって左側だから、有森氏の演奏ぶりがよく見えた。私はピアノを全く弾けないが、一音一音実にきれいで繊細で、時には身体全体で力を込めて演奏する。かなりの技巧派なのだけれど、それを感じさせない演奏ぶり。私は小中学校時代、先生に音痴と言われ続け、音楽の時間もピアノもずっと嫌いだったのだが、プロの演奏には心に沁みるもの、励まされるものが多い。私達の仕事もプロとして携わっている。関わる人に常に何かプラスを差し上げられるようにして行きたい。
③景況:私のお客様は若干売上が下がっている企業もあるが、多くは健闘しているので極端に数字(利益)は悪くはなっていない。だが特殊な奢侈品を扱うところは、予約や引き合いが激減している。毎回書いているが、今年は売上を伸ばし固定費を削減する努力を執念深く続けなければならない。私のお客様の中で、残念ながら欠損となったところは、売上がやや下がり、経費の節減にかなりの努力をしたものの、材料費や石油関連経費の上昇分を吸収できなかったところだ。だから現在のように石油価格の下落が持続すると自動的に黒字なるだろう。
今年のキーワードは困ったことを一緒に解決する、自然循環に関わる(人にやさしい、環境にやさしい)、メンテナンス、スピーディな行動、信頼できる言動などだ。口先だけの人、おんぶにだっこの中高年は置いていかれるだろう。
[ 更新:2009-04-01 18:30:56 ]