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経営コンサルタント吉見からのお知らせ

【動機づけ:長所】

初めての企業を訪問し、社長と面談する時に必ずする質問は、「わが社の長所、強みは何でしょう?」である。続いて、「社長ご自身の長所、強みは何でしょう?」と尋ねる。

 黒字基調の会社の社長は即答されるが、赤字基調の会社では多くが、「うちにいい所なんてないよ」「考えたこともない」「悪いところならいくらでも…」となりがちだ。
 身近な親子、兄弟、夫婦、また上司や同僚でも、他人の欠点は具体的にすぐ挙げられるものだが,長所の認識というと結構曖昧だ。だからこそ「自分は何が得意なのか。その強みをどう活かすといいのか、どうすると成功につながるのか。弱点は誰と組むとカバーされるのか。」定期的に掘り下げて考え、確認しよう。
 会社でいうと、会社の欠点を直し、クレームを0(ゼロ)にすると業績が上がるかというと、実務ではそう簡単には上がらないものだ。欠点・短所・弱点はなかなか直せないから、欠点・短所・弱点として現れ、どっかり腰を据える。私は経営コンサルタントとしてクレームや不良品はゼロを目指すが、欠点は目立たぬようにする、仲間の得意な人にカバー(補完)してもらうことを勧めている。
 船井総研の船井幸雄さんは「長所進展法」と名づけて、その会社の“良いところ”を伸ばせば業績は上がると20年以上前からいろいろな本に書いている。私たちは、良いところというのは空気のように当たり前すぎて、意識しないと気づけない。試して欲しいことは、会社でも部下でも、常に“良いところ”を探し、見つけ、そこをプッシュして伸ばしてあげる方が、欠点を指摘し直そうとするよりもはるかに成果が出る。多くは“悪いところ”を常に指摘し、「お前はここが悪い。これではどうしょうもない。早く直せ!」となる。言われる方は委縮するから、せっかくの長所も霞んでしまう。その結果悪いところがますます強調されることとなる。
 多くの人は、ほめることによって長所が引きだされる。ほめられた人の中には、うぬぼれる人もいるし、誤解して自分を過大評価する人もいるが、多くは次も期待に応えようと頑張る。上司は部下の人柄や資質を見極めて対処するといい。
 自分に置き換えて、叱られるのとほめられるのとどちらが良いか考えてみよう。 誰でもほめられるほうが良いに決まっている。また、上司が部下をほめるのに新たなコストはかからない。タダなのだから部下は適正にほめて欲しい。部下の光るものを見出して、引っ張り上げて、武器にして欲しい。(注意:人を尊重し大事にすることを勧めるが、職場の禁止事項を行う社員や、上司の指示・命令を無視する社員、職場の倫理観や秩序を乱す社員まで包み込むことを勧めてはいない。)

[ 更新:2009-05-01 10:34:19 ]

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